私の数字。 ページ36
3月。
合格発表の確認をする為に、マフラーを巻いてコートを羽織って。
靴を履いていれば、心配そうなお姉ちゃん。
「本当に1人で大丈夫？お姉ちゃんも一緒に行こうか？」
「もー、お姉ちゃんも引越しの準備終わってないんだから。私の事より自分の事！行ってきます！」
まって、と声をかけるお姉ちゃんを振り切って扉を開けた。
ちょっとびっくりして、扉を閉めた。
「Aちゃん？」
玄関の扉を閉めて。少し考えた。
うんと？
今、見慣れた人が門にいた。
もう1度、扉を開けば今度はこっちを見詰めて不思議そうな顔をして。
目が合えばふわっと笑うんだ。
何度だって、目があう度に恋をしてしまいそう。
「修也、なんで居るの？」
ちょっと寒そうに手を振った修也へかけよる。
こうやって、家まで来てくれる修也は久しぶりで。
胸がどくどく言うのは仕方が無いことで、
何も言わずに触れた、手袋越しの手でさえ。
嬉しくて、嬉しくて、頬が緩んでしまう。
「合格発表見に行くんだろ」
「うん、」
修也も？と首を傾げればこくりと頷いた。
「あれ？でも、修也はどこを受験したの？」
見上げていれば、ポケットの中から出された1枚の紙。
そこに書かれた高校の名前はよく見覚えがあって、
だって、それは。
「なんで…」
「木野から聞いた。同じでびっくりしたけど」
「いつ…！」
「秋頃だったか？Aが判定上がってて喜んでた時」
運命ですか。
同じ所を受験してたなんて、
知らなかった。いや、聞かなかったんだけど。
「ほら、行くぞ」
「〜うんっ」
2人で、凄く久しぶりに手を繋いで。
少し駆け足で向かう。
電車に揺られて、辿り着いた高校。
掲示板まで駆け寄って、手に大事にもった受験票と、
書き出されている数字を見比べていく。
「えと…私の番号は…」
少し離れた所だったらしい、修也と手を離して自分の番号を探し続ける。
周りで、あった…！と歓喜に喜ぶ輪の中で。
1人、見当たらない番号に焦っていく。
人混みに押されながら、掲示板の正面まで何とかたどり着いて
指をさしながら見落とさないようにゆっくり、1つずつ。
番号を確認していく。
お願い
あって。
お願いだから。
「…あ、」
思わず、溢れた声に、零れた涙。
紙を握りしめて。
周りを見渡せば、後ろの方人混みを避けた所に
修也と夏未ちゃん、鬼道さんが居た。
人混みをかき分けて、3人の元へと手を伸ばした。
「3人は…どうだったの？」
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守羽(プロフ) - 豪炎寺さとみさん» コメントありがとうございます！もう少しだけお付き合い頂けたら嬉しいです…！ (2022年10月10日 16時) (
レス) @page44 id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺さとみ - 終わっちゃうんですか (2022年10月10日 13時) (レス) id: 507e2dc598 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年10月2日 22時
