お別れの言葉。 ページ4
ターミナルの外でペットボトルの紅茶を飲みながら車止めようのポールに腰を軽くかけ一息ついて。
携帯を開き、お母さんや晴矢にメールを送っていれば。
突然、視界が薄暗くなり顔を見上げた。
「Ciao」
「へ？」
綺麗な青い瞳とぱちっと目が合えば。
覗き込むように正面に立つフィディオが居た。
「わ、びっくりした」
「ごめん、驚かすつもりはなかったんだ」
大丈夫だよ、と携帯を折り畳みしまおうとすれば咄嗟にその手を止められた。
不思議に首を傾げれば、なんだか恥ずかしそうなフィディオが。
「その、オルフェウスの皆が連絡先聞いて来いって、」
「皆私の事大好き過ぎない？嬉しい〜」
全然いいよ！と携帯を出せば安心したのか、嬉しそうに笑うフィディオ。
簡単に連絡先を交換すれば、じっと、見られているような気がして。
「それ、君にはちょっと大きいんじゃない？」
「あー、うん」
ちょっとね、何て笑って。
何だか違和感を感じてフィディオを見上げた。
「…一緒にイタリアに来てくれないかな」
「え…？」
今？何と……？耳を疑っていれば青い瞳いっぱいに
自分が映り込むのが見えて。背筋に緊張が走った、
なんか、知ってる。
この、なんか。ぞわぞわする空気感。いつだったけ、それは、確か。
「え、あの……」
携帯を握りしめる手を包まれ、逸らすことも、逃げることもできなくて。
視界いっぱいのフィディオに追い込まれた。
な、なんですか。
「Aが好きだ。路地裏出会った頃からずっと…君を追いかけてたんだ」
「ひぇ…っ」
変な声が出て思わず口を覆った。
ぱちぱちと、何度も瞬きを繰り返して、これが夢である事を祈った瞬間、眉をひそめて不快そうな顔をしたフィディオ。
「やっぱり…Aのジャージじゃないね」
袖口の余ったジャージを睨み付けるフィディオさん。ちょっと怖いです。
というか、今……告白されましたか。
思い出したように、フィディオの肩を押しのけて、真っ直ぐに見詰めた。
あの距離感ならいつだって、修也の香りがいっぱいでどきどきするんだ。
でも今は、フィディオの香りなんてしなくて。
ジャージのせいか、修也がそばに居る気がして。
「ごめんなさい、一緒にイタリアは行けない、それに…好きな人がいるの」
「エースストライカーの豪炎寺、だよね」
頷けば、知ってた。と傷付いたように笑う。
「それでも、この気持ちをイタリアへ連れて帰りたくなかったんだ…」
「フィディオ…」
「でも…、」
、
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守羽(プロフ) - 豪炎寺さとみさん» コメントありがとうございます！もう少しだけお付き合い頂けたら嬉しいです…！ (2022年10月10日 16時) (
レス) @page44 id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺さとみ - 終わっちゃうんですか (2022年10月10日 13時) (レス) id: 507e2dc598 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年10月2日 22時
