ナイツオブクイーン。 ページ8
ため息しか出てこない、と言いたげな影山さんは
立ち上がり、グランドで練習をするオルフェウスの皆を見た。
「そう焦らずとも来る日までは何もしない。そうだな、イナズマジャパンとオルフェウスの試合の日まではお前もゆっくりマネージャーに勤しむといい」
「手遅れになってからじゃ遅いんですよ」
影山さんを睨みつければ、ため息ばかり。
部屋を出ていってしまった。
明日は…イギリス代表との試合なのに。
「私は観客席に居ます」
「だめだって！マネージャーだろ」
アンジェロさんに手を引かれて、背中をジャンルカさんに押された。
雷門中の制服を着て、不貞腐れたように頬を膨らませながら。
タオルとドリンクと、応急セットの確認を控え室で念入りにする。
時間になり、ジャンルカさんやジジさんが率先して重たいドリンクを持ってくれて、グランドへと向かう。
項垂れながら、一緒にグランドへ入ると。
イナズマジャパンとの試合の時とはまた違った緊張感と、声援が降り注いだ。
「サファイアグリーンのレディ？」
よく通る声が聞こえて振り向けば、なんとかナスさんがびっくりした様子でこちらを見て。
「アンジェロさん、呼ばれてるんじゃ？」
「レディってどう見てもミケしかいないよ」
ふん、とベンチの横へとタオルを置いたアンジェロさん。
なんとかナスさんへ一応頭を下げる。
「なんでイナズマジャパンの…？」
試合が始まるまえ。
ベンチへ座る影山さんに皆が顔を強ばらせて、指示はいらないと、そう言い放った。
「ミスターK、俺達はあんたをイタリア代表の監督だとは認めていない。今日のイギリス戦、何の指示も必要ねえ。黙ってベンチへ座っていればいい、これがチーム全員の意見だ。そうだな、フィディオ」
ジジさんがそう言い、フィディオを見た。
私もフィディオを見れば、浮かない顔をして俯いていた。
フィディオ……？
「いいだろう、約束しよう」
そうして、グランドへかけていく皆を見送った。
影山さんの隣は、誰も座らず。
前半編、ナイツオブクイーンの無敵の槍に苦戦するフィディオ達。
何とか攻略方法に気付いて欲しい。
歯がゆい、
「無敵の槍の攻略方法はわかるか」
突然声をかけられて、影山さんを見た。
イナズマジャパンの時はどうやったかな、思い出してみようと目を閉じて……あ、
「すみません、あまり覚えてません」
「……………やはり馬鹿か」
長い沈黙の後のそれ結構辛いですね、
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年9月5日 4時
