自由な君と。- 豪炎寺修也 - ep8 (ページ38)

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マネージャーの仕事。ページ38

コンドルスタジアムを出れば、イナズマジャパンのキャラバンは無く。
オルフェウスのバスがそこに居た。

「イナズマジャパンはもう帰ってしまったようだね」

なかたさんに声をかけられ、肩を竦めるしかなかった。

「影山さんの事があったから当然ですよ、皆整理する時間が必要なんです」

バスに乗り込み、一緒にイタリアエリアまで戻る。
そう、時間が必要なんだ。

影山さんが罪を償うと向き合ったからこそ、私は初めて……影山さんを信じられるように前を向ける。

「なかたさんは、影山さんが誰から私を守ろうとしたか知ってますか？」

振り向き、フィディオと話し込んでいたなかたさんへ声をかければ、困ったように笑われた。

「ヒデでいいよ、そこまでは何とも」

なかたさん…あー、いや、ヒデさんでも分からない相手。
でもなんだろう。影山さんの向こうに誰かいる、そうだとしても

どうして影山さんは私を守ろうとしたんだろう。

同じように巻き込まれたルシェと呼ばれた女の子は…？

生まれた国も年齢も違う、ましてや巻き込まれた状況も違う。
私は円堂のおじいちゃんを消そうとした事故に巻き込まれ、
あの女の子は選手のチャンスを奪う時に、巻き込まれてしまった。

どこの、何が違って、私が庇護下に置かれて
あの女の子は見守られていただけなのか。

流れる景色を窓越しに見詰め、ため息を着いた。

オルフェウス寮につけば、皆が軽い足取りで中へと入っていく。
いつも通り荷物を下ろしていれば、そこでマルコさんとジャンルカさん、アンジェロさんが荷物を運ぶのを手伝ってくれた。

食堂まで向かえば、ラファエレさんやジジさん、皆が興奮気味にイナズマジャパンの凄さを語り合ってくれていた。

嬉しいな、

皆の汗が染み込んだタオルを、洗濯機へ押し込んで。
明日の朝には干したいから浸け置きしよう…。

「みんなー、ユニフォームは後でかごに入れて置いてね」

「はーい！」「おー」

夕飯は用意されているようなので、靴を履き替えて裏庭へ。
干していたタオルを回収…、

って、何を私普通にマネージャーの仕事してるの！！

愕然として膝を折り、蹲った。
いや、習慣だね、本当に。

「そういえば、フィディオ…」

オルフェウスに残って欲しい、みたいな事を言われた気がする。
立ち上がり、カゴの中へとタオルを放り込んでいく。

タオルを回収して、簡単にタオルを畳んで…

帰るタイミングと話すきっかけを考え込んだ。