自由な君と。- 豪炎寺修也 - ep8 (ページ36)

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同点…。ページ36

「ブレイブショット…！」

本日２回目のなかたさんのシュート、

「イジゲン・ザ・ハンド！改！」

円堂が止めたボールを皆が繋いで、鬼道さんへと繋がる。

「カテナチオカウンター！」

フィディオの後ろから出てきたなかたさんに鬼道さんは笑った。

わ……！

鬼道さんの後ろから不動さん、佐久間さん。
3人でカテナチオカウンターを交わしていく。

「皇帝ペンギン3号！」

「コロッセガード…！くっ！！」

同点のホイッスル…！

オルフェウスもイナズマジャパンも1歩も譲らない、瞬きもできない瞬間がずっと、ずっと続く。

鬼道さんとフィディオがボールを蹴り合い、ボールが空へ上がる。

息を飲んだその瞬間、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

同点……。

力が抜けて、座り込んだ。

イナズマジャパンの皆も座り込んで、肩で息をしていた。
修也も息を整えて、

これで、イナズマジャパンは…ユニコーンの結果を待たないとならない。

喜んでいるオルフェウスの皆に込み上げてきた複雑な気持ち。

ベンチへ戻ってきたオルフェウスの皆が眩い笑顔。

イナズマジャパンの皆を見詰めていれば、影山さんがフィディオに声をかけた。
2人を見詰めれば、フィディオはキャプテンが送ってきたビデオのおかげだと話し始めた。

え？ビデオって昨日、あれ？手紙…。

「もしかして、あの手紙の人？」

なかたさんの顔を覗きこめば、微笑まれた。
これは、なんというか。

「俺は貴方を知りたかった。サッカーを恨みながらも、サッカーを知りつくしている貴方を。影山東吾のプレーを見て全てはそこに関わりがあると確信しました。

だから調べたんです、貴方の過去を。

そしてわかりました、貴方が抱える心の闇を」

だからこそ影山東吾のプレーにこだわった

チームの勝利の為にも

そして、影山さんの為にカテナチオカウンターを完成させようと。

フィディオの言葉は、とても丁寧で寄り添うように話してくれるその声が耳に優しく届く。

「何故だ？何故そこまで」

私もずっと不思議だった、フィディオはどうして
そんなにも影山さんを理解しようとするのか。

「俺が貴方と同じだからです」

フィディオは話してくれた、フィディオのお父さんのこと。
自分の才能の限界を感じて苦しみ続けたサッカー選手だった、

でも、フィディオはお父さんの事を憎まなかった
どれだけ生活が荒れても、

お父さんが、お父さんのサッカーが大好きだったから