自由な君と。- 豪炎寺修也 - ep8 (ページ35)

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キャプテン。ページ35

どうしてこの人は、確信を持って言えるんだろう。
どうして貴方はフィディオも、この人も。

「でも、彼女はすぐに行方をくらませて貴方では探す事が出来なくなった。そうですよね」

え？

顔を上げて、影山さんを見れば背中を向けしまった。

どういうこと？探していた？私を…？

「…君は、孤児院に居たから探せなかったんだ」

そうだったんだ、

にしても、何も言わなかったですよ？この人、
なんて思っていたら、

ゆっくりと歩み寄った女の子は、背中を向けた影山さんへ声をかけた。

「おじさん…？やっぱりおじさんだ！」

「見えるのか？」

「うん！おじさんのおかげで私の目！見えるようになったんだよ」

純粋な女の子は、ありがとうと喜んで影山さんへ歩み寄って
たくさん影山さんがしてくれたことをありがとうと何度も笑って伝えた。

「私には試合がある、話は後で」

「うん！じゃあ後で！応援してるね！」

手を振り続けた女の子は嬉しそうに、観客席へと戻っていく。

「後半の指示を伝える！」

.

えっと、なかたさん試合入るんですね。

影山さんの隣で腕を組んで不貞腐れた、

「イナズマジャパンが勝つのが難しくなりそうです」

「勝つための指示だからな」

左腕にキャプテンの印を付けたなかたさんが、フィールドへ。

オルフェウスのキックオフから後半戦が始まる。
すぐにオルフェウスのプレーが変わったことがわかる。

これがなかたさんが居るオルフェウスのプレー。

すぐにフィディオがオーディンソードを打てば、円堂のイジゲン・ザ・ハンド。すぐに鬼道さんがカバーに入り、コースのそれたボールを円堂がしっかりと止めた。

小さく手を握りしめた。

赤いミサンガが揺れる。

「皆…っ頑張って」

「それはどちらへの声援だ」

聞こえていた影山さんに指摘され、見上げればグランドを見詰めたままの影山さん。

同じように、グランドに目を向けて笑う。

「グランドで全力で走っている仲間全員への声援です」

「…ほう」

「オルフェウスの皆が、イナズマジャパンの為にオルフェウスに行った私を仲間だって呼んでくれたんです。イナズマジャパンの皆も離れていても仲間だって円堂が。だから、グランドにいる漏れなく全員仲間です」

影山さんと視線が重なれば、穏やかに笑ってくれた。

そう、皆仲間なんだ。

「カテナチオカウンター！」

フィディオを抜けた先に、なかたさんが。
必殺技も進化してる……！