自由な君と。- 豪炎寺修也 - ep8 (ページ34)

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巻き込まれた私と女の子。ページ34

「ルシェ…！」

男の子と、小さな女の子が手を繋いで立っていた。
その人を見て影山さんがどうしてここに、と動揺。

なかたさんへ問い詰める影山さんを見上げて、なかたさん？を見詰めた。

「お言葉ですが、ミスターK。ルシェの願いなんです。目が見えるようになったら最初に貴方のサッカーが見たいと」

「だからといってこんな所に…」

話の展開が読めない私は、フィディオの服を引っ張る。
誰？と小声で聞けば、オルフェウスのキャプテンだと教えてくれた。

凄い嬉しそうに笑っているフィディオを見る限り、皆からとても慕われているのがよくわかった。

「これが最後何じゃないですか？」

「なに…？」

え？

思わず、2人を交互に見つめた。なんの話しでしょうか…。

「今日を最後に貴方の試合は見られなくなる。違いますか？」

「…最後？」

思わず出た言葉、それは鬼道さんからも聞こえた。

前半の試合を見て、わかったと話すなかたさん。
影山さんはもう、過去の影山さんじゃない。今日で償うつもりなんじゃないか、そう語るなかたさんに、納得をしていく。

もう、自分から逃げることは無い、自分が犯した罪からも。

その言葉に影山さんを見上げれば、表情は読めなかった、でも。
確かに、今までの影山さんじゃない、そんな気はした。

でも、なんで？

なかたさんは、語りかけるように、皆に教えるように丁寧に話してくれた。

影山さんがサッカーの恨みを晴らすために手段を選ばなかったこと、
その手にかかって多くの選手がチャンスを奪われてしまったこと

そうして、ルシェと呼ばれた女の子が。

巻き添えとなって怪我を負ってしまったこと、

サッカーと全く関係の無い女の子が。

そして、ルシェさんの目が見えないことを知って、莫大な費用がかかることもしった…

影山さんがとった行動は治療費とともに手紙を送り届けた。

影山さんの小さな行動から、なかたさんは影山さんの心を紐解いていく。

不意に、なかたさんから視線を向けられてフィディオに隠れしまった。

「君も、巻き込まれてしまった1人だったんだね」

「……え、」

言葉を失い、フィディオの服を掴んで、握って、視線を逸らした。

イナズマジャパンからの視線も突き刺さってきては、居心地が悪くなる。

何も語らない私に、なかたさんは影山さんを見て話を続けた。

「彼女は家族を失い、1人になってしまった。貴方はその事に気付いていたんでしょう」

だから、