自由な君と。- 豪炎寺修也 - ep8 (ページ27)

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夜明け。ページ27

明日は、イナズマジャパンとオルフェウスとの試合。
ベッドに座り込んで全チームの試合結果を見つめた。

明日、オルフェウスは負けない限り決勝へ進む。

イナズマジャパンは勝たない限り決勝へは進めない。
万が一、同点で終わっても…ユニコーンの負けを祈るようなことはしたくない。

明日の試合…影山さんは何か仕掛けてくるかな。

疑いたくない。自分を守ろうとしてくれる人を、
でも、疑うしかできない。

信じることは……難しいんだ。

修也と夕香ちゃんの身に起きたことを、反復して思い出す。
雷門のみんなのこと…。

私が1人で影山さんのサッカーを受け入れてしまえば、
皆に裏切られた、そう思われるんじゃないかって怖くなってしまった。

ミサンガを見つめ、微睡みへ落ちていけば
囁く悪夢に現実に引き戻されて。

時計の針がちくたくと、時間を刻み続ける。

届いた手紙が視界に入って、思い出したように皆の手紙を読む。

「相変わらず夏彦の字は汚いな…いや、晴矢よりはましかな」

杏や穂香の可愛らしいテープやラメペンでカラフルに書かれた手紙に、思わず笑って。
華のはフレークシールをふんだんに使われた、分厚かったのは華の手紙だったんだね。

茂人は…？

「なかたひで？誰それ…」

首を傾げて、写真を見れば知らない2人組みの男の子を中心にサッカーをやってる1枚が。

もしかして、オルフェウスのマークが封にしてあったのと関係ある人なのかな？

沢山の手紙を1つずつ読み込んでいれば、気が付けば空気が冷え込んで
窓から柔らかな朝日が差し込んできた。

眠れなかった……。

いや、まあ、寝ても直ぐに目が覚めるような毎日だからいいけれど。

窓を開けて、朝日を眺める。
願わくば、どうか。イナズマジャパンが決勝へ進めますように。

どうか…。

.

「おはよう、ミケ」

朝ご飯の準備をしていれば、皆が起き出してきた。
いつもより皆早いね、なんて笑っていれば

「そりゃ、相手がミケのイナズマジャパンだからね」
「でも負けないから」

朝から元気なマルコさんがカウンター越しに笑って。
ジャンルカさんは気合十分とマルコさんと手を組んだ。

「あら皆早いね」

お手伝いの方も来てくれて、みんなで、朝ごはんを用意した。
皆がご飯を食べ始めたのを見つめた。

フィディオが眠そうに起きてくれば、ほんの一瞬ジジさん達が目を逸らした。

「ミケ！おかわり」

「あ。うん！」

気のせいかな…？