自由な君と。√24 ep.4 【ｲﾅgo】 (ページ8)

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エール。ページ8

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「A姉〜〜！！」
「Aさーーーん！！」

潮風に負けないように、海原に向けて声が響く。
透也を抱えていたAが驚き、目を開いて振り向いた。

そこには、キャラバンから手を大きく振る松風の姿。
危ない！と、空野に怒られながら松風は必死に手を振っていた。

キャラバンが安全に停車した所で、扉を開け放ち駆け寄ってきた松風と、続く西園や影山。

「どうして…学校じゃ、」
「今日、君に会わないと後悔するような気がして…」

追いついた剣城や狩屋が溜息を吐いた。

「引き止める先輩達を振り切って、監督を押し通して来たんだよ」

練習の鬼である鬼道を押し通し、尚且つ神童達を説得できたか危うい勢いだったと狩屋は肩を落とす。

そうまでして、松風達1年がAに会いに来た。
その事実が、どれ程のことを意味しているのかその全てをAは測り兼ねる。

「……私も、一緒にサッカーしたい。みんなとサッカーを取り戻したい……！私に出来ること、一緒に頑張りたい…っ」

Aの必死の言葉。
突然、切り出されたその言葉に松風は驚きながらも、ふわりと笑う。
それはそよ風が吹いたように優しくて、陽だまりみたいに暖かい。

「うん！俺もA姉と一緒にサッカーやりたい！…だから、待っていて」
「…私に出来ることない？」

不安そうなAに、松風はううんと首を左右に振った。
西園も安心させるようにそんな事ない！と声をあげて。

短い付き合いだったれど、Aの存在を真っ直ぐに受け止めてくれた1年は、Aにとっても大切な仲間で。

「Aさんが居てくれたら心強いよ」
「でも、僕達…それじゃダメだと思うんです」

西園の言葉に続いた影山が、食い気味にAを見詰めた。

「輝くん…」
「…僕の知ってる(・・・・)貴方は、全部抱えてしまって、無理をしてしまう人ですから」

それはだめです、と影山が微笑めば狩屋が影山と肩を組み笑う。

「そういうこと。アンタには透也くんだって居るんだからさ！」
「まーたんっ」
「はいはい、透也くんも。しっかりAさんを守るんだよ〜」

うりうり〜と、透也の頬をつついては優しく頭を撫でる狩屋。
影山も同じ様に透也を撫で、真っ直ぐにAを見詰める。

「きょーちゃん！」

ん！と両手を広げ、透也が剣城へと手を伸ばした。
何だかんだと、サッカー部員の中で透也が一番懐いているのは剣城かもしれない。

「……元気でな」
「きょーちゃ？」

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