再び。 ページ6
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早朝、眠そうに体を起こした赤い頭。
徐に探して捕まえたスマホ。触れた途端表示されたメッセージに思わず眉間に皺が寄る。
「……あ゛？」
「ぅ？」
先に起きていたのか、緑色の瞳をぱちくりとさせた透也が南雲を見つめる。
「…おい、お前の母さんどこだ」
「あいっ！」
「違う違う。どこだって聞いてんだよ」
もそもそと布団から這い出ると、布団を転がる透也の髪は静電気で角の様にそりたつ。
「まんまー！」
元気で明るい声がお日さま園に響けば、とたとたと走る音が。
ノックもせずに開かれた南雲の寝室。
「透也！」
「ノックしろよ」
「おはよう南雲さん」
扉を開け放つのは、狩屋とA。
寝癖を笑う狩屋を睨み付ける南雲達に目もくれず、Aはきゃっきゃと嬉しそうに笑い、Aへと手を伸ばす透也の元へ。
「おはよう」
「ぉ……はぁよ？」
「おはよう言ったの？！透也くん天才じゃない？」
狩屋は南雲を無視し、透也の元へ。
褒められたのがわかったのか、頬を染めて照れたように頬を包みこむ仕草。
あまりの可愛さに悶絶する2人を横目に、南雲はスマホを凝視。
そして、Aへと放り投げた。
「とっとと支度しろ」
「どこか行くの？」
投げられたスマホを受け取り、Aは南雲を見上げる。
「ゴッドエデンだとよ」
「ゴッ？！？！？」
狩屋が思わずごくりと固唾をのみ、Aは少しだけ顔を強ばらせる。
何故、急に。
「今ゴッドエデンって立ち入りが禁止されているんじゃないの？」
「ああ。だから、秘密裏に行くんだよ」
「どうやって…？」
狩屋とAがきょとりと見つめ合えば、決まってンだろ？と得意げな南雲。
「お日さま園の経営者は誰だと思ってんだよ」
「……ヒロトさん？」
首を傾げる狩屋に、Aが続き。だから？と不思議そうに。
「プライベートの船くらい持ってる」
「へぇ…え？なんでゴッドエデンに行くの？」
スマホを見ろ、と南雲は肩を落とし顔洗ってくると部屋を後に。
3人でスマホを覗きこめば、そこには宇都宮からのメッセージ。
『皆で検討した結果、ホーリーロードが終わるまでAさんは雷門からもお日さま園からも離れた方がいいと判断されました』
目下、危険視している人物が豪炎寺Aの存在に気付いた事から。
側にいることで危険が迫る可能性が。
『ゴッドエデンには未だ、シードとして育成されていた子供達が居ます。既に管理はフィフスセクターの手から離れていますから、彼らの介入を回避できます。』
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2023年6月23日 19時
