自由な君と。√24 ep.4 【ｲﾅgo】 (ページ5)

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宇都宮。ページ5

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「……聖帝、これ以上関わる事は危険です」

宇都宮が背中へと言葉を投げかけた。重い沈黙の後、聖帝…イシドシュウジは唇を少しだけ震わせ。手を握りしめた。

「…動き……始めたか…」
「はい。既に、Aさんの足取りを追っているようです」

背もたれへ深く背中を預けた聖帝は、どうしたものかと項垂れてしまう。
守りたいのに、掌からすり抜けるようで。

「お日さま園との関係も調査は？」
「秘書が動いてましたから。恐らく…」
「……狩屋の名前は上がっているか？」
「いいえ。そちらはヒロトさん達に任せてありますし問題は無いかと」

“ただ、お日さま園から出て、雷門に所属している以上どのような方法で接触されるかは不明瞭”

何よりも、この状況下で尚。
秘書である彼女が、聖帝イシドシュウジとの婚姻を推し進められている現状を念頭に置けば

豪炎寺Aという存在がどんなに危うかを浮き彫りにさせる。

世間上には、豪炎寺の妻であるAはイタリアへと戻ったことにしてあるが…。

「牙山達はどうなっている？」
「上手く交わしているようで…」
「…儘ならないな」

サッカーを守る為、それだけなのに。
サッカーを通し沢山のものを守らなければならない。まるで芋づる式に次から次へと。

「革命の風は吹いています」

宇都宮の声に聖帝は静かに目を伏せる。
雷門に吹いた小さな風は、やがて大きな革命の追い風に。

もう少し、あと少し。

「これ以上、Aを尊重してやる事は出来ない……か」
「貴方はいつもAさんのことを甘やかしているからこうなるんです」

甘やかしているつもりは…と言葉を飲み込む聖帝に、宇都宮は返答を待たずに言葉を連ねていく。

大体、いつもいつも。自由にさせ過ぎなんです。
その結果がこれです。あの頃から変わらず、一番守りたいはずのAさんが傷付き抱え込むばかり。

肩を落とし、見守るこちらの身にもなってくれと聖帝の頭部をキッと睨み付けてしまう。

「2人とも問題を抱え込む所は似ているんですから。頼る事をいい加減覚えてください」

耳が痛いなと眉を下げる聖帝に、宇都宮は貴方は…と思わず脱力してしまう。

「俺ももう大人なんです！あの頃は、自分の事だけしか見えてませんでしたけど……なんの為に俺がここに居ると思ってるんですか！」

宇都宮の言葉に驚いた様に目を丸くしてしまう。そうして、ずっと共に立ち向かう事を選んでくれた。

「そうだったな」

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