自由な君と。√24 ep.4 【ｲﾅgo】 (ページ18)

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声を上げる。ページ18

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「…………親子ですね」

豪炎寺に腕を引かれ、号泣を過ぎ去りようやく落ち着いたAが同じ様な顔をした透也を抱えて。

目をぱんぱんに赤くして、赤い林檎のようなほっぺ。

「……最後の仕事ですよ、聖帝」
「ああ」

宇都宮が豪炎寺とAを見ては、ふわりと笑う。
変わらないあの日々の宇都宮がそこに居た。

成長して見た目は変わっても、色褪せない思い出がこの10年を彩り、走り続ける原動力になっていた。

「虎丸、ありがとう…」
「まだ全部は終わってませんからね。ほら、気を抜かないで下さいよ奥様」
「はーい」

強ばっていた力が抜け、背筋が伸びる。

「行こう」
「うん」

手を繋ぎ直し、ゴットエデンのグランドへと向かう。

シード育成機関として、たくさんの子供達の無邪気な笑顔を奪ってきたゴットエデン。

「……聖帝」

芝生に踏み入れると、ザワついていたグランドが静まり返り。
聖帝として仰ぎ見ていた存在が、幼い頃歓喜に震え握りしめて声援を贈っていた、あのイナズマジャパンのエースストライカーを背負っていた存在がそこに。

そうして、淡々と豪炎寺は語り出した。

聖帝が改められ、新しく響木が着任したこと。
フィフスセクターは事実上の解散となり、それに伴いシード育成機関であったゴットエデンの閉鎖。

そして、今この場に居る選手全員へ帰宅案内が降りること。

すまなかった…そう、謝罪の言葉を口にしようとした豪炎寺へ。
冷えきった空気。雲に覆われたグランドに、優しく日が差すように。

「みんな！サッカー、楽しー？」

Aの声が響いた。

「あーーいっ！」
「大きなお返事〜！お利口さんだね透也〜っ」

うりうり〜っと頬擦りするAに、嬉しそうにきゃっと笑う透也。
緊張の走っていた空気が緩和された。

「透也の言う通りだ」
「ちろー！」

んわ！と嬉しそうに透也が白竜へと両手を伸ばせば、白竜の表情が和らぐ。

「……ぼくも」
「俺も……」

ぽつぽつと浮かぶ声に、Aは満足そうに笑った。

「とーや、さっかーあいすき！」

その声に応えるように風が吹く。

「……私もサッカー大好きだよ。ね、修也は？」
「当たり前だ」

謳歌しよう、誰にも阻まれない自由なサッカーを。

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「コードM、特異点を通過。これより第3フェーズへ移行します」

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