自由な君と。√24 ep.3 【ｲﾅgo】 (ページ33)

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サボりではありませんよ。ページ33

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「…あ！輝くん！」

よかった、と声をかけられた影山はぱっと笑顔になり駆け寄ってくる。

「あれ…？もしかして豪炎…」
「わー！紹介するよ！俺の従兄弟の狩屋A！気軽にAって呼んでやって！あの人にもよく似てるけど別人だからさー！！」
「あ、う、……うん？」

勢いに任せ影山へとAの背中を押した。それじゃ、放課後に！と笑顔を崩さずに逃げ出した狩屋の後ろ姿を影山と共に見送り、気まずそうに視線をくばる。

「影山輝です…あの、輝って呼んでください」
「……ﾊｲ」
「もう少ししたら剣城くん戻ってくると思うので」

程なくして、慌てて担任の教師が駆けつけ席の案内を。授業が始まる前には簡単に紹介を済ませる段取りを説明してくれた。

さっぱり理解できない授業を終え、一瞬にして囲まれたAは困惑を隠せないままぎこちない笑顔で過ごしていた。

その様子を剣城と影山はどうするべきか…と悩み、何も言わずに剣城が囲まれ怯える子猫のようなAの元へ。

「行くぞ」

たった一言だけ投げかけ、剣城は教室の外へと。
慌てて追いかけるAは教室から出て剣城の背中を探す。

「あ…」

壁に寄りかかり、Aが出てきたのを確認すると歩き出した。

「あれ？Aさんは？」

遅れてやってきた狩屋と松風達がクラスを見渡していると、影山が嬉しそうに「剣城くんが困ってるAさんを連れ出してくれたんだよ」と。

────────どこへ？

影山は西園の言葉にゆっくりと首を傾げ、狩屋を見詰める。
狩屋も動揺し、松風へと視線を流した。松風はえ？！と大きな口を開け、瞬きをして西園を見下ろした。

「つ……つるぎ〜〜〜！！」

松風の呼びかけに答える剣城は、授業中にも関わらずサッカー塔。

「くしっ」
「風邪…？」
「いや、天馬達だろ」

不思議そうなAは、ふうんとグランドを見詰める。

「……次の試合は幻影学園……です」
「え？」

振り向き剣城を見詰める。そういえば、自己紹介していなかったような気がする…。けれど、ゴッドエデンで遠巻きに見ていた為、初対面ではない。名前は知らないけれど。

「えっと…もしかして、マサキの言ってた……つるぎくん？」
「！？」

何かを察し、理解した様子の剣城はこくりと頷く。

「よろしくお願いします」

ふいっと視線を逸らしながら挨拶をしたAの様子に、剣城は対象的なAの存在を瞼に馳せるように瞳を伏せた。

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