自由な君と。√24 ep.3 【ｲﾅgo】 (ページ31)

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任せる。ページ31

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透也を膝の上に抱え、八神達が用意した昼食を囲むA。
大人になった仲間達に困惑を感じながらも、纏う空気が穏やかなこともあり楽しそうに頬を緩める姿に豪炎寺も安心した様に目を細めていた。

「狩屋…だったな」
「え？」

肩で腕を組み、様子を見守っていた狩屋へ声をかける。
当たり前の様に狩屋の苗字を借りているけれど、豪炎寺と狩屋が言葉を交わすのが今日が初めてだ。

「…ﾊｲ」

控えめに返事をした狩屋へほんの一瞬だけ視界に入れ、再びAへと視線を戻す豪炎寺。

「あいつは透也が俺との子供だと知らない」
「……は？嘘だろ？あんなに懐いてるし、ママって呼ばれてんじゃん……ﾏｽﾖﾈ」

取ってつけた敬語には触れずに、豪炎寺は蓮池に抱きしめられて嬉しそうなAをぼんやりと見詰める。

「ご飯の催促をされていると思ってるな…」
「…あ〜…言われてみればどんくさ…えっと、鈍感な所ありﾏｽﾖﾈ」

わざとなのか気が緩んでいるのか曖昧な狩屋に少しだけ笑っては、豪炎寺は頼んだ。と一言だけ。

何を、とは敢えて聞きたくない所。

狩屋はわざとらしく大きな溜息を吐いて肩を落とす。そして、深呼吸をして空へと両手を伸ばし笑顔を浮かべた。

「ま、大丈夫ですよ。雷門には天馬くんも剣城くんもいるし、それにAさんを知ってる3年も居るらしいんで」

んーーっとまるで猫のように体を伸ばした狩屋はふにゃりと笑う。

「何とかなるさ、なんてね」

自分で言っておきながら恥ずかしさを感じたのか、隠すように駆け出していく狩屋の背中。

Aの膝にいた透也を抱え、楽しそうに狩屋は笑い。つられたようにAも笑っていた。

「……何とかなるさ、か」

豪炎寺は呟き澄んだ空を見上げた。耳に残る革命の風の声。

「木を隠すなら森の中…子供を隠すなら子供の中」

掌を太陽に透かし、深呼吸をし心を落ち着かせる。
大丈夫、そう言い聞かせて。

瞳が揺れた。

笑顔のAを見る度に、透也と微笑み合う姿を見る度に。
脳裏をよぎる最愛のAの太陽の様な笑顔。

「無事でいてくれ……」

今は、目の前の小さなAを守りきることで、この幾重にも絡まってしまったインタラプトを乗り越えて…。

「豪炎寺さん！一緒にサッカーやろ……！」

腕を引き、八重歯を見せて笑うAに眉を下げて頷く。

「……豪炎寺さん？」
「なんでも無い。チーム分けは決まっているのか？」
「はい！」

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