自由な君と。√24【ｲﾅｲﾚ】 (ページ40)

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抱き寄せた腕。ページ40

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帝国学園との試合に向け、練習メニューを改めて迎えた試合。
いつもとは違う緊張感をまとう鬼道の背中を、柴葉が強めに叩いていく。

「気合い、入れてみました」

そんな2人を見たAと雷門が笑い合い、同じように鬼道の背中へと手を伸ばしていく。

「頑張りなさい」
「指揮は任せたよ、天才ゲームメイカーさん」
「…分かっている」

手を握りしめた鬼道に、最後の一撃と言わんばかりに音無と豪炎寺が。
他の誰よりも強くその背中を押していく。

「頑張って！お兄ちゃん！」
「あぁ…！」

マントをはためかせ、フィールドへと向かう。
迎え撃つ帝国学園は向かい風に吹かれ、真っ直ぐに鬼道を見詰めていた。

試合開始のホイッスルが青空に響き渡る──────────。

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薄らと目尻に涙を浮かべた佐久間が、手を伸ばした。
汗を吸い込んだユニフォームが熱気に揺れる。佐久間の手を借り、立ち上がった鬼道の元へ、ゴールキーパーの源田が駆け寄る。

だっせぇ、と笑う不動と佐久間の背中に突進したような源田は、2人を巻き込み鬼道まで抱きしめた。

「おい！離せよ！」
「源田？！」

ぐっと、握り締めた手は少しだけ震えていた。

「お前達と出会えて、中学も高校も共にサッカーを続けられて……本当によかった…！」

込められた熱に、想いに。
迷惑そうな顔をした不動も照れくさそうに瞳を伏せた。

もらい泣きをしてしまった佐久間は、源田の肩へ顔を隠してしまい。
ゴーグルの向こう、鬼道の赤い瞳も確かに涙に滲み揺らいだ。

「……あぁ。俺も、お前達と出会えて本当によかった。今でも変わらない、最高の仲間だ」

そんな4人を目守っていた音無は、涙を拭う。
脳裏にかけたのは、帝国学園のユニフォームを着ていた頃の鬼道だろうか。

フィールドを後に、控え室で荷物をまとめ直しバスまで歩いていけば。
くん、と鬼道のマントを引いた柴葉が涙を溜めていた。

帝国学園を卒業して鬼道の背中を無意識に追いかけた柴葉にとっても、目の前で繰り広げられたその試合の意味が重く深く心へと響いたのだろう。

泣くものか、と必死に涙を堪える柴葉は唇を噛み締めたまま。

「あ！鬼道さんが柴葉さん泣かせてる！」
「おいA！嘘を言うな！…って、柴葉！お前も…おい、ちょっ……マントで涙を拭くな……」

仕方のないやつだなと困りながらも、鬼道は嬉しそうに笑っていた。

迎える決勝戦は明後日……。
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