自由な君と。√24【ｲﾅｲﾚ】 (ページ34)

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3年。ページ34

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「寝坊した〜〜！！」

大慌てで飛び起きたAは、身支度をそこそこに制服へと袖を通し。
豪炎寺と書かれたネクタイを締めていく。

「おはようA、今日そんなに早いの？」
「うん。新入部員のロッカーとか準備しないと行けなくて」

すっかり伸び始めた髪を簡単に結い上げるA。
少し高めの位置で縛り、揺れる髪の毛は自由に跳ね上がり、ふわふわの猫のしっぽのよう。

「気を付けてね」
「うん、秋もね！行ってきます」
「行ってらっしゃい！」

駆け足で荷物をまとめ、玄関を飛び出していくAを見送る木野は、微笑む。

「…さて、私も行かなくちゃ」

3年生春。

空へと桜を抱き上げた風が、コーラルピンクのカーディガンを羽織ったAを背中を押す。

胸が踊る春。
新しい出会いに、新たなる挑戦に。まだ見ぬ、ライバル校達。

「あ！！円堂〜！」
「んあ？！A！久しぶりだなぁ！」

車道を挟んで向かいの道を、反対へと進む円堂へ元気に手を振る。
時間が無い事をすぐに思い出しては、Aは大きな声で。

眩い笑顔で。

「今年は私達が勝つよ！」
「今年も絶対に負けねぇ！」

ニッと笑い、またね！！と元気に手を振りあって走り出す。
今すぐにボールを蹴りたい。ボールを受け止めたい。

体の奥底から、溢れ出てくる気持ちに踏み出す足は軽くなっていく。

少し前を歩く見慣れた後ろ姿に、瞳に光が弾けた。

「修也！」
「おっ……と、」

背中に飛び付けば、少し驚いたものの倒れ込むこともなく受け止めた豪炎寺。
朝から元気だな…と少しだけ眠そうな声がもれた。

「さっき円堂に会ったよ」
「あぁ、俺もだ」

それもそうだ、と頷いたA。

歩道の奥側、左手の手荷物を右手へと移し替え、空いた左側。
ん、と伸ばされた手に嬉しそうに繋いで歩き出す。

「新入部員、結構来てくれてよかったね」
「あぁ、だが…虎丸が来ないのは意外だったな」

宇都宮は、進路の事を踏まえた上で。
世界へと誇るゴールキーパー円堂へ挑戦状を叩きつけ、同じくストライカー、天才ゲームメイカーへと挑戦状を叩きつけた。

肩を並べるのではなく、その正面で迎え撃ちたいと違う高校を選んでいた。

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「…と、これでロッカーの準備は終わった」

何とか、ホームルーム前に準備が出来たことに、ほっと胸を撫で下ろす。

「せんぱーい、背番号の確認お願いします」
「Aさん！各ポジションの確認終わりましたよ〜」
「ありがとう春奈ちゃん、柴葉さん」
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