自由な君と。√24【ｲﾅｲﾚ】 (ページ3)

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イタリアページ3

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16歳の終わり、突然両親がイタリアへ移住する事が決まった。

姉は大学生であり、寮に入っていた為日本に留まることに決まっていたが
高校生であるAは一緒にイタリアへ行くことを話された。

血が繋がっていなくとも、Aは大切な娘。

離れて暮らすことは毛頭なかった両親。
共に、イタリアに行きたいと願う反面、大切な仲間達と簡単に会えなくなるとAは視界が真っ暗になった。

家を飛び出し、豪炎寺と共に鈍行列車に揺られて。

海を眺め

神社へ寄って

誰かと出会い、何かを失い、

重い足取りで家へと帰った。

「一緒にイタリアへ行くよ」

そう、伝えようとしたAの瞳は悲しげに揺れていた。

将来の夢もあって、その為に必死になって進学した高校。
赤点を取らないように、部活にも真剣に取り組んで。

行きたい大学まで道が繋がっているのに。

欠伸をしながらリビングへと降りてきた姉は驚いて妹を凝視した。
今にもこぼれ落ちそうな涙を瞳に溜め込んでいたから。

「A？！な、なんで泣いて……？」

帰ってきたと思えば、涙を堪えている。

「ごめん、ごめんなさいっ……私、」

顔を覆って、謝り続けるA。
困惑して姉と母は顔を交互に見て、はっとした。

一緒に、イタリアへ行くと言えない事に気付いた。

「Aちゃん、」
「お母さんとお父さんと離れたくない、でもっ……高校、変えたくない。今の高校で頑張って、大学行きたいっ」

その言葉に、姉は必死に勉強漬けの毎日を送っていた事を思い出した。
夜遅くまで机に齧り付くように、苦手な教科も逃げずに頑張って。

合格発表の時の安堵の笑顔を、思い出した。

合格したその日に、恋人である豪炎寺と進学先が一緒だったとわかって
緊張の糸が切れて号泣したことも。

辛い過去を思い出して、乗り越えて、取り戻した笑顔の全てに
雷門イレブンとの関わり、豪炎寺修也の存在の大きさを今、痛感していた。

それは、少し離れた地域で暮らす南雲晴矢達も同じ。

目の前にいる家族と同じように、離れたくない。
どっちかを選べずに苦しむ姿に姉は小さく座り込んだ妹を抱きめした。

「母さん、Aも日本に残るのはだめ？私、頑張るから」

姉の言葉に、母は首を横に振って娘達を包み込むように抱き締めた。

「お父さんともう一度、話し合ってくるね」

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