自由な君と。√24【ｲﾅｲﾚ】 (ページ16)

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日が暮れる。ページ16

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すっかり日もくれ、電車に揺られながら稲妻町へと帰る中。

「…寝たか？」
「うん、ぐっすり」

木野の肩に寄りかかり、すやすやと寝息を立てるA。
対面側の席では雷門に凭れ円堂が爆睡。頬を赤らめる雷門を、風丸が微笑ましそうに見ていた。

音無と肩を寄せ合い柴葉が眠り、そんな様子を鬼道達が見守る。

「柴葉も、親しい友人が出来たようで安心した」
「佐久間…」
「ま、帝国に居た時はサッカー部とつるんでる方が多かったしねぇ？」

不動と佐久間の言葉に、鬼道は後輩である柴葉が充実した高校生活を送れていることにほっと、肩の力を抜けた。

「あ、俺達は乗り換えだからここで降りるよ」
「起こさなくていいか？」

基山と緑川が荷物を持って立ち上がれば、Aと円堂への挨拶をどうするかと聞かれた。
2人は顔を見合せて、起こさなくていいよと優しい笑顔を浮かべた。

「それじゃまた！」
「今度は大会で会おう！」

元気にホームへと降り、その姿が見えなくなるまで手を振り続けた。

揺れる、音が静かに響く。
宵闇に街灯が揺れる中、稲妻町へ着けば木野がAの肩を揺らした。

「A、起きて」
「円堂くん起きなさい」

雷門に揺すられ、涎を拭うように円堂が小さな声を零しながら目を開いた。

「んあれ？ここどこだぁ？」
「稲妻町へ着いたのよ、ほら起きて」

風丸と雷門に手を引かれ、円堂がふらついた足取りでホームへと降りていく。

「鬼道、俺達も今年は負けないからな」
「…ああ、楽しみにしている」

佐久間が手を振る横で、けっと悪態を着いたような不動。
起こされた柴葉と音無はしょぼしょぼとした目でホームへと足を踏み出した。

何とか、起きては居るけど目が開かないAは豪炎寺に支えられホームへと。

「荷物は持つよ」
「ありがとう」

豪炎寺から、Aの荷物を受け取った木野はこれくらい平気よと目を細める。
先に改札へと急ぐ雷門達を追いかけるように、進んでいけば。

すっかり、目が覚めた円堂が元気に風丸と話をしていた。
その手にはしっかりと雷門を繋ぎ止めて。

「家まで送ろう」

鬼道に声をかけられた音無と柴葉。
音無がやったー！と喜べば、家が反対だと柴葉が断る。車だから気にするなと話をしている横で、風丸が木野を見た。

「送るよ」
「いや、大丈夫だ」
「何で豪炎寺が答えるんだ？」

不思議そうな風丸に、くすくすと木野が笑う。

「Aが木枯らし荘に住んでるから」
「…そういう事だ」

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