自由な君と。√24【ｲﾅｲﾚ】 (ページ13)

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今年こそは。ページ13

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勉強に部活。
忙しない日々を駆け抜けていれば、気が付けば桜は散り。
青い木々は生い茂り、蝉が鳴き始める夏がやってきた。

「今年こそは海に行きたい……！」

机を両手で叩き、立ち上がったAは握り拳。
そんな様子を豪炎寺と鬼道が横目で見ては、どうしたものかと視線を送り合う。

夏合宿も予定したとおり、滞りなく済み、試合も収めた夏休み。

残り一週間と迫るタイムリミットにジャージがかかった椅子を揺らし、天井を見上げた。
既に、レギュラーメンバーと1年が帰宅し、最後の鍵締めに残っていた3人と。

「お待たせしました！」

柴葉。
雷門は一足先に帰宅し、残った4人は顔を見合わせた。

「どうかしましたか？」

柴葉の声に、ちらりと鬼道はAを見て深い、それは深い溜息をついた。

「こいつが、海に行きたいそうだ」
「そうだ！柴葉さんも一緒に行こう！皆一緒だと楽しいよっね？」

名案だ！と瞳を輝かせたAに、思い出したように豪炎寺が服を引き、顔を見上げた。

「南雲達との予定はいいのか？」
「晴矢？確か、部活の関係でお日さま園には帰らないって言ってたから……たぶ集まらないんじゃないかな？」

お墓参りは行くけど、と呟けばそうか。と豪炎寺は視線を外し、鬼道へと。

「鬼道は行くだろう？」
「何故前提で話す？」
「何の為のゴーグルなんだ？」
「サッカーの為だ」

鬼道の言葉に、Aと柴葉はぽっかりと口を開き鬼道を見詰める。
そうだったんだ、と強く思った。

「柴葉は？行くだろう？」
「え？！あっ……はい！行きたいです！」

嬉しいです！と笑顔を弾けさせた柴葉に、項垂れたように鬼道が机を見詰めた。
これは、行くべきだろうと判断しているところだろう。

「円堂も行くだろうし、そしたら夏未も来るよね！風丸くん達は声掛けたら来てくれるかな？」

Aが不安げに豪炎寺を見れば、聞いてみるか。とすぐにスマホを取り出しては、入力を始めた。

「夕香ちゃんも来れたらいいね」
「あぁ、聞いておく」

鬼道に手招きされた柴葉は、鬼道の隣へと躊躇いながらも座り、Aが豪炎寺のスマホを覗き込む様を見守る。

仲良さげな2人をみて、頬が緩む。

「…っと、返事が早いな」
「疾風返信」
「…A」
「さーせん」

どこの海へ行こうか、いつがいいか。
話を始めていれば、気が付けば夜が深まっていた。

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