自由な君と。√24【ｲﾅｲﾚ】 (ページ12)

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日々を織るように。ページ12

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「ん〜〜部活終わり最高〜！」

空へ突き上げるように手を伸ばしたAの後ろ姿を見て、豪炎寺が小さく笑う。
夕陽に透ける髪を揺らしながら、振り向いたAが満面の笑みで歩く。

新しいスタメンも決まり、本格的に試合に向けた練習を組むことに目を輝かせるA。

「2年かあ……来年には受験だよね」

1年ってあっという間だったと肩を落とすAに、言われてみれば短く感じた。

部活も勉強も、その全てを全力で頑張りたいと握り締めた手を胸の辺りへと持ってきてAは1人で頑張るぞー！と声を上げる。

その様子を見守る豪炎寺は、楽しそうなAをただ見詰めていた。

そして、不意にAの上着の裾を引きとめ、突然の重みにAが不思議そうに振り向いた。

「修也？」

名前を呼ばれ、引き止めていた上着からゆっくりと指先を離した。
何となく重ねてきた日々が、胸が張り裂けそうな程に痛く幸せであることを、無性に伝えたくなった。

離してしまった手を見詰めていれば、迎えに来るようにその手をAがとった。

触れる柔らかな手に、眉が下がり微笑む。

「ふむ……それ！」
「うわっと、と……」

繋いだ手を手繰り寄せ、豪炎寺の肩へと腕を回して包み込む様に抱き締めた。

鼻先に触れるAの髪にゆっくりと瞳を伏せる。

抱き寄せた腰は、細くて柔らかく。

「辛いことがあったなら、私が半分持つよ」

この間そんな台詞をテレビで言ってたの。と誇らしげに笑うAへ、気が抜けたように豪炎寺は声を出して笑う。

高校生になって、大人びて見えるようになったAも。
その根っこは変わらずに、相変わらずだった。

「なら、Aのも半分持つよ」
「大丈夫？私のかなり重たいんじゃない？」

楽しそうにおどけて笑う声に、回していた腕に力を込め。

「わあ！」

ふわっとAの足が浮き、抱き上げられた。
肩に手を置き、見上げた空は少しだけ広く見えて。

見下ろした豪炎寺は、瞳を輝かせて微笑んでいた。

「このくらいなら余裕だ」

肩に手を置き、Aは歯を見せて笑う。
桜の花が舞う春。

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