手越side ページ9
今から武道館行くよ、って言われて、脱力した、何故か。
まっすーの胸に飛び込んでから、ずるずると膝まで頭をおろす。
こんなに安心する匂いとあったかさで、寝るな、なんて。
体の底から震え上がるような寒気が襲ってくると、物凄く泣きたくなった。
さっきも泣いた癖に、俺の馬鹿。
もう素直に行く、と言うことが出来なくて、子供のように駄々をこねる。いいもん俺まだ子供だもん、誕生日くるまで20代だもん。そんな言い訳を考えながら。
言い訳なんて大っ嫌いなのに。
人前で泣くのも大っ嫌いで格好悪いのに。
駄々をこねるのはもっと格好悪いのに。
そんなの、わかりきったことなのに。
不本意ながら認めざるを得ないくらいに弱った俺の心の声はあっけなく俺の発する言葉に掻き消されて。
…その言葉も、あっけなくストップをかけられた。
増「駄目。今寝たら辛いの手越でしょ？インタビューの後ってことになってた生放送、武道館でこの後すぐあるんだよ」
…忘れてた。
そう言えば結構前に…2週間くらいかな、それくらい前に言われた、気がする。
手「…ねるの…」
増「だから、駄目」
手「やぁ…っ」
増「俺も嫌」
手「……やっ、」
増「さっきも言った気がするけど、俺嫌なの、手越が辛い思いすんの」
手「……」
確かに、言われた。朝。
そんな優しい言葉に反論出来るはずもなく、俺は起き上がった。
手「…ごめ、」
増「ん。いいから、乗りな」
まっすーはまた素っ気なく言って、ソファに座っている俺の前で片膝をつく。
大分慣れてきたその背中に乗ると、まっすーは俺なんて背負っていないみたいにすっと立ち上がり荷物を持って歩き出した。
楽屋を出てテレビ局内を歩きはじめて5分くらい。
俺はまたも強烈な眠気に襲われていた。
安定したまっすーの背中の絶妙な揺れが心地いい。
増「眠い？」
唐突に、聞き落としそうな音量でそう聞かれる。
手「…うん」
増「我慢出来るなら極力して欲しいけど」
まっすーが俺を背負い直す。
増「どうしても無理なら、車着いたら寝てもいいよ」
なんで、ここでは駄目なのか。それは、俺のプライドを傷つけないため、なんだと思う。
手「…ん、わかった…」
増「うん、寝かせてあげられなくてごめん」
手「…だいじょうぶ…」
…それから、何度もまだ寝たら駄目、って言われたと思う。
頭ではわかっているのに、体は思うようにコントロールが出来なかった。
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ふわり(プロフ) - アスタさん» 完結してしばらくたったのにまだ読んでくださる方がいたなんて嬉しいです（ ; ; ）こんな長く拙い文を読んでくださったんですね光栄です…！私のお話で泣いてくださったなんてめちゃくちゃ嬉しいです、わざわざコメントありがとうございました……！(^^) (2017年10月6日 22時) (
レス) id: 841f60ac53 (このIDを非表示/違反報告)
アスタ - 今更ながら最初から読みました！初めてこういう小説でマジ泣きしました｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2017年10月5日 2時) (携帯から) (レス) id: c9d4810d09 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - 手越香澄さん» ありがとうございます（ ; ; ）私もこれを書くのが日課だったし楽しみだったし、なにより寂しいです（ ; ; ）いつもコメントありがとうございました…！長い間ついてきてくださってありがとうございました(^^)また是非コメント欄でお会いしましょう！ (2017年8月24日 19時) (レス) id: c582c8dc51 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - すだちさん» 素敵だなんて…！嬉しいです(>_<)ありがとうございます！確か前もコメントくださいましたよね、？またコメントしていただけるなんて嬉しいです…！これからも頑張ります…！また是非コメント欄に遊びにきてくださいね(^^)いつでもお待ちしています…！ (2017年8月24日 19時) (レス) id: c582c8dc51 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - ゆきさん» こんなに長かったのに全部読んでくださってありがとうございます(^^)文章を褒めてもらえる日がくるとは…。嬉しいです！新作出しましたので興味があればのぞいてみてください(>_<)番外編…！考えてなかった！けど書きたいです！そのときはまたお願いします…！ (2017年8月24日 19時) (レス) id: c582c8dc51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわり | 作成日時：2017年6月5日 22時
