24時間テレビーNEWSー part3

▽増田side▽ ページ38

手越がしゃがみこんで、小山とはけていった。


もうそれだけで気が気じゃなくて、イヤモニを気にしていたら、小山の声が流れてきた。


小『まっすーシゲ、きこえる？』

きこえるよ。俺もシゲも小さい声で返す。

小『よかった、今俺たちだけにきこえるように切り替えてもらってるんだよね。


あのね、てごし、お腹痛いみたい』


心配そうに手越を見つめる小山の顔が浮かぶ。


小『いっぱい吐いちゃったらしいから、多分胃が荒れてるんだと思うけど…俺じゃ全然なにも言ってくれないから。まっすー交代してくれない、？』


困ったような小山の顔も、浮かんだ。


増「わかった。一旦はけるわ」

小『ごめんね…じゃあ俺今そっち行く』


．


小山と交代してはけてきて、まっすぐ手越の元へ向かう。

小さく丸まって、ここから見てもわかるくらい震えていた。


増「てごし？」

手「…まっすー、」

増「俺もはけてきちゃった。ずっと座ってんのも疲れるね。手越どう？」

手「…おれはだいじょうぶ、いつでも」


いつもどおりに話しかけた。

弱ってるところ、散々見せられたし散々見たし、散々甘やかしたけど、強がり始めたからもう弱さを見せるのはいやなんだろう。


増「さすがだわ。ちょっとは疲れてよ」

手「やだよー…つかれないし、っ…」


ぎゅっと目をつぶる。黙って背中をさすると、目を開けた手越が弱々しく笑った。


手「まっすー…」

増「ん？」

手「おなかいたい…」


そう言って、手越が胃のあたりに手を伸ばす。


手「はいたからかな…いがいたいの、」


ふわふわとした喋り方で、ぎゅうっと胃をおさえつけたのがわかった。


手「きもちわるいのは、なくなったんだけど…」


はぁっと息を吐き出す。多分、意識が朦朧とし始めている。


手「おなかいたくて、だめだった…ごめんなさい、」

増「謝ることじゃ、」

手「むりしてないつもりだったんだけど、っ…」


悔しそうに顔を歪める。あぁ、そういうところが手越だなぁ。


手「むりしてるようにみえたのかなぁ、っ？おれ、わらってるつもりで、…」

増「大丈夫」

手「……、」

増「手越が無理してないっていうなら誰がなんと言おうと無理はしてない、だから大丈夫」

手「へりくつ」

増「屁理屈で結構」


手越が笑う。俺も笑う。




増「俺のことがわかるのは俺と手越だけだし、手越のことわかるのも俺と手越だけだと思ってるからね、」


たとえ誰が相手でもね。

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