24時間テレビーNEWSー part3

□小山side□ ページ11

俺だって、手越の隣に座りたかったのに…。


必死の訴えも虚しく、手越の隣は却下。終いにはシゲに小山がお母さんになった覚えはないとか言われた。大事に育てたのに。お母さんもう知らないよ。





まっすーにやめてくれと懇願されてから車内は驚くほど静かになった。それも…10分くらい。ずっと、静か。聞こえるのは手越のはぁはぁという呼吸だけ。


…やっぱりうるさいの俺のせいだった？違うよね？


加「…小山独り言やめろよ、悲しくなる」


小「…俺なんか言ってたの」


加「やっぱうるさいの俺のせいだった？って言ってた」


小「えー…恥ずかしいなぁもう」


両手で顔を覆う。別に言ってるつもりなかったんだもん。


加「おねえか」


小「おねえじゃない！」


さっきと同じような会話が始まりそうだ。どんな結論が出ようと俺はおねえじゃない。


増「…またうるさくなりそうだから。小山お前取り敢えず黙ろう」


小「えぇ、シゲはぁ？」


増「…シゲも静かにね」


小「…言い方の優しさの差ですよ」


増「あ、もう着くんじゃない？ねぇもう着く？」


マネ「あ、そこ曲がったらすぐです」


綺麗にスルーされた。マネージャーもなんか言え。


小「…まっすーがいじめる…」


泣き真似をすると、まっすーが笑った。後ろから肩を優しく叩いてくる。


増「小山反応面白いんだもん。ごめんな」


小「俺泣くよ？」


増「勝手に泣いといて」


小「すぐそういうこと言う」


まっすーがあはは、と笑う。散々手越のこと子供っていうけどまっすーだって十二分に子供だ。


マネ「着きましたよ」


増「ありがとー！手越起こすからシゲと小山降りる準備しといて？手越の荷物もよろしく」


まっすーがそう言うなり手越の耳元に顔を寄せた。起きる時からいきなりあんな声が聞けるとか幸せ。


ほぼ息だけの声で「手越、起きて」と聞こえた。


手「…、…んう、」


増「武道館着いたよー起きてね」


またも吐息のように言う。手越は身をよじらせた。


手「…わか、った…」


本当にこいつのプロ意識は半端ではないと思う。わかったとか言えないぞ、普通。


手越は横になった状態から起き上がり、吸い寄せられるようにまっすーの背中に倒れこんだ。


手「おんぶ…たいへんだったら、おろして…？」


増「おろすわけないじゃん。行くよ」


…なんだこのテゴマスのラブラブっぷりは。


ほんの少し…いや実を言うとかなり嫉妬しながら楽屋まで向かった。

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