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▽*回想* ページ10






「私さ、治らない病気にかかっちゃって。」

「みんな大好きなのに、大好きなのにさっ……」

『どうして……彩颯が…』

「神様が私に怒ってるのかもなぁ……」


なんでだよ、神様に怒られることなんてしたのかよ。






「皆には言わないで、お願い」


なんて言われちゃったもんだから最期まで言えなかった。

毎日窶れていく彩颯を見るのが辛くて苦しくてたまんなかった






そして今年の三月


『今日で2年終わりだな。来年も一緒だからな。』

「ふふっ、そうだね」

「……そうだといいなあ…」


数日前から彼女は入院生活を送っている

もう永くは無い、そう告げられてるもんだろう。


「さとみくんとさ、夢の国とか行きたい」

『っお、いいじゃん?チケットなんてとってやるよ、行こう』

「お泊まり会して、夜手繋いでコンビニも行きたいな」

「だってハグも、キスもしたことないよ私たち。笑」

『清純派カップル?笑』

「何言ってんの変態なくせに笑」




「…全部全部叶えられればいいのに、」


突然顔を歪ませて泣く彩颯、そんな彼女を見て泣くしか無かった


「ズッ……でもっ、さ?」

『…ん』

「最後に愛せた人がさとみで良かった……っ」

『…バカッ……俺ももうこれから先、彩颯より好きな奴出来ねぇわ、』

「…んーん、私の事なんて忘れていーの。さとみくんは幸せになって欲しい、」

「これから先のさとみくんの恋愛において私が錘になりたくないの」

『そっか…あ、時間だな、また明日来る。』

「わかった、じゃーね」


いつも通りの別れだったのに、

もう彩颯の笑顔は見れなかった。

夜のうちに心臓が麻痺を起こして息を引き取ったらしい。







もう恋なんてしたくない。

好きな人が死んでいく様が何よりも辛いことは

誰よりもわかってるし経験してきた。

それに彩颯のこと越せるやつなんて…なんて……

目をつぶってゆっくり考えると

どうしてもAちゃんの笑顔が脳裏をよぎる

困ってる顔、優しく微笑む顔、泣きそうな顔

全部全部彩颯に似てやがるんだ、悔しいぐらいに

……Aちゃんでもいいんじゃないか?

そう思ってしまった自分に後で後悔することになる





▽→←▽*回想*



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ゆ に ゃ ん(プロフ) - ちゅたさん» わぁ…ありがとうございます😷🎶 更新頑張ります👶🏻 (2021年11月7日 0時) (レス) id: 9977ee0fa3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅた - わはぁ!(好きすぎます、、、無理せず更新がんばってくださいッ (2021年11月6日 23時) (レス) id: f18cc763a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆにゃん | 作成日時:2021年10月21日 15時

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