Peep into THE RAMPAGE４

156『夫婦』× Hokuto.Y ページ6

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『ぱぱまだかなぁ？』



「きっともうすぐ帰ってくるよ」




真っ暗なリビングで娘と息を潜めながら北人の帰りを待つ。初めて手にしたクラッカーを早く鳴らしたいのか、さっきからソワソワしてる。





北人「ただいま〜……え、」



「…ふふ、笑」



『まま、しぃ〜』




玄関のドアが開く音と共に北人の声。玄関の灯りしか付いてないいつもと違う家の中に、驚いて固まる北人の姿が目に浮かんで思わず笑いが零れた。そんな私に人差し指を口に当てる娘にごめんねって頭撫でてたら
ドタドタ騒がしい足音がどんどん近付いてきて




北人「っ…A！？」




パチっと彼の手によって付けられたリビングの電気。目が合った瞬間「せーの」って合図すると娘もクラッカーを構えて




『ぱぱ、おたんじょーびおめでと！』



「おめでと〜！」




パンッて2つのクラッカーが弾ける音
ヒラヒラと舞うテープの向こう側、口ポカーンて開けた北人の顔。




北人「…え、待って待って。何、」



「サプラーイズ！」



『さぷらーいず！』




大成功、やったねって娘とハイタッチを交わしていると、北人がヘナヘナと床に座り込んじゃって
慌てて駆け寄ると、胸に手を当てて笑顔を見せた。




北人「…やばい。なんか色々やばい」




涙が浮かんでることに気付かないフリをして、「驚かせてごめんね」って頭を撫でると「帰ってきた時はまじで焦った」って困ったように笑う。


そしたら娘がちょこんと北人の隣にしゃがんで




『ぱぱ、いつもありあと』




私の真似して頭を撫でるの
そしたら北人、びっくりして私を見てきて
「こんな事覚えさせたの？」って。私知らないよって頭を振ると、もっとびっくりした顔になって




『ぱぱだいすき』



ちゅっと頬っぺにキスをされれば、鼻の下伸ばして娘をぎゅっと抱き締めた。




北人「俺らの娘ってなんでこんな可愛いの。絶対お嫁にやんない」




やべぇやべぇ言いまくってる北人に近付いて、嫉妬してる訳じゃないんだけど娘に負けじと私も顔を近付ける



そんな私に先を悟った北人の「待った」



ん？って首を傾げたら、「ちょっと…」って娘の顔が自分の胸に来るように抱き直して





北人「A…愛してる」





私の頬を撫でて優しく微笑んだ北人に 私も って呟いた声が彼の唇に吸い込まれていった。








あなたに出会って恋をして

結婚して娘が産まれて

こんな幸せをありがとう




本当に本当におめでとう






大好き

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