97『メンバー』×3Vocals ページ47
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北人「…あ!Aおかえり!」
撮影の仕事を一番に終えて楽屋に戻ると、携帯を弄る北人くんと壱馬くんが居た。
「あれ?みんなは撮影ないの?」
壱馬「俺らはレコーディングあるから別撮り。ちなみに陸さんはトイレに行ってる」
携帯から視線を外してこっちを見た壱馬くんに ふうん って少しだけ頷いてから、北人くんから少し離れた所の椅子を引いた。
北人「A〜」
「ちょ、北人く…」
わざわざ開けた距離を座り直して詰めた北人くんが甘えたような声で私の肩に頭を乗せた。少し動くだけで頬に触れる髪の毛が擽ったくて、思わず肩が揺れる。
そんな時、ガチャっと音がして振り向けば、陸さんが戻ってきて「Aお疲れ様」って優しく笑った。
「あ、ありがとうございます」
陸「……北人、何してるの」
私の肩を見て眉間に皺を寄せた陸さんが、いつもより低い声を出しながら、北人くんとは反対側の隣に腰掛けてこっちを見詰める。、
それでも尚、動じない北人くんを見て、もっと顔をむすっとさせた陸さんが「いつもと雰囲気違うね」って、私の髪を優しく撫でた。
いつもと雰囲気が違うのは陸さんでしょ〜!
って心の中で小さく叫んでみるものの、時々耳に触れる陸さんの手を、気にしないフリをするので精一杯。
右も左も挟まれて身動きが取れなくて困っていた時、ガタンって音に振り向くと、ドアノブに手を掛けている壱馬くん。
壱馬「…北人行くで。……陸さんも、」
いつもの低い声 よりもっと低い声の壱馬くんに驚いたのは私だけだったようで
やっと解放される…そう安堵したのも束の間、
北人「俺まだAといるから、壱馬先行ってて」
壱馬「は?」
陸「ごめん俺も」
北人くんと陸さんの言葉に、眉毛をピクっと動かした壱馬くんがドアノブから手を離した。
壱馬「……んと、ありえねぇ」
はぁって大きく溜息をついて、私の前の椅子を引き始める。……え、え?
「え、行かないの?」
壱馬「…北人と陸さん置いて行けるわけないやろ」
明らか不機嫌な壱馬くん
私の肩に頭を置いたままそっと手を握る北人くん
緩く巻かれた髪を愛おしそうに撫でる陸さん
ついに逃げ道がなくなった私
異様な空気が漂う楽屋
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はる - 一つ一つのお話の終わり方がうますぎます!!また、図々しく自分に置き換えて読ませていただいてますが、私は自分が甘えるとか想像できないのですが、この小説は主人公が甘えるシーンが自然で今まで読んだ中で1番自分に置き換えやすかったです!これからも応援してます (2019年7月19日 15時) (レス) id: 2402b45475 (このIDを非表示/違反報告)
茂結田(プロフ) - リエさん» 本当ですか…(°д°)嬉しいです!これからもリエさんが泣いてしまうようなお話作り頑張りますので、よろしくお願いします(^^) (2017年11月23日 16時) (レス) id: 9d38b03f33 (このIDを非表示/違反報告)
茂結田(プロフ) - あゆさん» ありがとうございます(T ^ T)移行後も更新は不定期になってしまうかと思いますが、色々なお話が描けるように頑張ります\(^^)/ (2017年11月23日 16時) (レス) id: 9d38b03f33 (このIDを非表示/違反報告)
茂結田(プロフ) - めいさん» 待って頂いて本当にありがとうございます(T ^ T)移行後もゆっくりになってしまうかと思いますが、少しずつ更新頑張ります。本当にありがとうございます! (2017年11月23日 16時) (レス) id: 9d38b03f33 (このIDを非表示/違反報告)
茂結田(プロフ) - エムさん» ありがとうございます(T ^ T)エムさんの気持ちにお答えできるように移行後も頑張らせて頂きますので、ぜひよろしくお願いします(^^) (2017年11月23日 16時) (レス) id: 9d38b03f33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茂結田 | 作成日時:2017年9月23日 19時