Peep into THE RAMPAGE２

65『恋人』× Makoto.H ページ15

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慎「……本当にいいの？」



「…うん、」



慎「そんな無理しなくても…イヤリングでも可愛いじゃん」



「ピアスがいいの」



ベットの上で向き合って座りながら、慎が手にするピアッサーを見て体が強ばった。



周りに激推しされてピアッサーを買ってはみたものの、自分のからだに穴を開けるという行為にどうしても抵抗してしまう為、お手慣れであろう彼氏に頼むことにした



けど……




慎「じゃあいくよ」



「っ……ま、待って」



私の髪を耳に掛ける慎の手を掴む



30分前からこれの繰り返しで




慎「…また別の日にする？」



「やだ」



慎「でも怖いんでしょ？」




優しく頭を撫でてくれる慎を見詰めると、視界の隅に入る、控えめに輝くピアスとトラガス



「……かっこいい」



綺麗な顔立ちの慎によく似合う



彼のピアスに触れながら「私もピアスが似合う女の子になりたい」と本音を零した



慎「何でそんなにこだわるの？」



慎からのそんな質問に、沢山の理由が脳内を駆け巡る




いつだって童顔がコンプレックスの私は、どんなにお洒落しても メイクを頑張っても"大人っぽい"なんて言葉は貰ったことが無い



それなのに私の隣に居る一つ下の彼は
"大人っぼい" "カッコいい" そんな言葉が誰よりも似合う素敵な人


そしてそんな彼の周りには、私よりも断然綺麗な女の人が沢山いる訳で…




自信なんてこれっぽっちもない私の精一杯の見栄っ張りだった




「…慎とお揃いのピアスつけたいの」



本音なんて言えるはずもなく




自分の中で覚悟を決めて1回だけ大きく深呼吸をして



「……やって、」



小さく頷いた慎の手によって髪が耳に掛けられて露になって…



慎「…力抜いて」



冷たい感触が耳に触れると同時にまた恐怖に煽られて目を閉じる



力なんて抜いてらんない、怖いっ…









「っ、」



パチンと耳元で音がすると同時に、柔らかい何かが唇に触れて驚く


目を開けば少しずつ慎の顔が離れていった




「慎…？」



慎「どう？痛かった？」



「えっ、」




左の耳たぶにそっと触れると、その手には少しだけ血がついていて



「あ、開いてるの…？」



慎「頑張ったじゃん」



優しく笑って頭を撫でて



慎「はい」



小さな箱を手渡された



「…何、これ」



慎「お揃い」



そう言う彼の右耳には箱の中身と同じものが



「…ありがとっ、好き」



慎「知ってる」




一つ下の彼氏は私より断然大人だ

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