Peep into THE RAMPAGE２

62『先輩』× Kenta.K ページ12

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「失礼しま〜す」


そっと扉を開けると、静まり返った保健室



"出張に出てます"


デスクの上にそんな置き手紙を見付けて、辺りを見渡せばベットは全部空いていた。



「ラッキー、寝ちゃおっと」





痛む頭を抑えながら真ん中のベットに腰掛けた瞬間、ガラッと扉が開く音がして慌てて立ち上がる。



健太「いった〜……あれ、先生いないの？」



私と同じようにデスクの上の置き手紙を見る


明るい髪色、男らしい声
そこまで高くない身長



……見間違えるはずがない

この学校で一番の人気者の先輩を




「あのっ…、」



健太「あ、ごめん…起こしちゃった？」



秘かに憧れていた健太先輩の綺麗な瞳が私を映す



体育の授業だったのか、Tシャツをの袖が捲られていて見える先輩の腕は 物凄くカッコいい




って、やばい見惚れてた




「いえ、私も来たばっかりで…」


健太「そっか。俺に気にせず休んでていいよ」



そう柔らかく微笑むと、棚を開けて何かを探し始めた



あ…


健太先輩、膝擦りむいてる



「あの…膝、大丈夫ですか？」



ゴソゴソと棚を漁り続ける先輩の背中に問い掛けると、ゆっくり振り向いて



健太「バレちゃった？…ダサいよね、サッカーで転けたの笑」


頬を掻きながら照れ臭そうに笑った



「あ、駄目ですよ。ちゃんと消毒しないと、」


健太「え？」




そのまま膝に絆創膏を貼ろうとしていた健太先輩を椅子に座らせて



棚から消毒液とガーゼを取り出して先輩の前に座る



「すみません、ちょっと染みるかもです…」



少しずつ消毒液を垂らすと 「いっ」と声を漏らす先輩に遠慮しながら、砂を落として絆創膏を貼った。



「…よし、これで大丈夫……、」



綺麗に貼れている事を確認してから見上げると、思ったより近くにあった綺麗な顔に驚いて言葉が詰まる



「す、すいませんっ」



慌てて顔を背けると、「いや俺の方こそ…」って口元に手を当てながら顔を逸らされる。



……うわ 調子乗りすぎた絶対




不器用なくせに手当とか慣れてないことするからだ



なんて自分に喝を入れていると




健太「…ありがとね」



立ち上がりながらお礼を言ってくれた健太先輩に釣られて私も立ち上がる




健太「おかげで早く治りそう」



「そんな、大したことっ」




慌てて首を振る私を見て小さく笑うと、扉の方へ歩き出して




健太「…Aちゃん、またね」




手を振って保健室を出て行った







……なんで、私の名前

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