俺が好きになった人【吉野北人】

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北人「_______ねぇ、その痣何？」


「え？」


"ちょっと髪の毛弄らせて"
というAちゃんからのお願いに頷き、鏡越しに仕事をする彼女の額の痣に気付く。



「ど、どこ？」


両頬を撫でながら視線を泳がせたAちゃんと向き合うようにして立ってから


北人「ここだよ」



前髪の分け目から見える、色白肌に映える紫色の痣にそっと触れた。



北人「昨日はなかったよね？」


「……あ、あのね！朝寝惚けてたら扉に頭ぶつけたの!!本当ドジだよね〜」


慌てて前髪で痣を確認しながら離れようとするAちゃんの手を掴むと、「いっ」と声を漏らした。



北人「Aちゃん？」



「ごめん北人くん、痛い…」



目を伏せながら振り返ったAちゃんの視線の先は……腕。

彼女の左手にあるリストバンドをそっと捲ると



北人「……ねぇ、頭ぶつけただけじゃないの？」


「……」


北人「Aちゃ、」


瑠唯「北人、リハ始めるって」



何も喋らず俯いたままのAちゃんに手を伸ばそうとした時、瑠唯さんがリハの開始を教えに来てくれて…。

そっと瑠唯さんの背中に隠れるように俺から離れて「リハーサル頑張ってね」と言って楽屋を出て行った。



健太「何かあったの？」


瑠唯「え？誰と誰が？」


健太「北人とAちゃん」


瑠唯「そうなの？」


北人「あ、いえ、何もないっす！」



慌てて首をぶんぶん横に振ると、「そっか笑」と微笑んで楽屋を出て行ったハイサイ組。



壱馬「俺らも行くで」



北人「いてっ」



みんながそろそろと出て行く扉をひたすらに見つめていたら、壱馬に背中を叩かれ眉をしかめた。






壱馬「しけた面してると思ったら、今度は何や笑」


北人「何でもないよ、ほら行くよ」


壱馬「誘いに来たの俺やっつーの笑」






額と、腕にあったあの痣 何だったんだろう。


リストバンドしてたのは、痣隠しの為なのかな

昨日電話しながら泣いてたけど
それとも関係があったりするのかな



考え出したらキリがなくて、本当のことが知りたくなって

だけど、あんなに辛そうな彼女の顔も見たくなくて。





北人「っ…あー、もう！！！」


陸「北人、イライラするのはいいけどマイク通して言うのやめて。耳痛い」


北人「あ…すいません、」



こんなんで集中なんて出来るか！！！

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