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持田「……北人遅い」
北人「すいません」
撮影現場に戻ると、休憩が終わる間際だったらしく、腕を組んだもっちーが立ちはだかった。
持田「あなたまだメイク直ししてないんだよ?」
北人「あっ、いや。それはAちゃんに…っ、」
やばい と思って咄嗟に口を手で覆う
持田「Aちゃん?……そういえば、飲み物買いに行ったわりには手ぶらだね」
絶対分かってるだろうに、悪そうな顔をして何も持っていない俺の手元を見詰める。
北人「いやぁ…」
持田「………北人さ、」
言い訳を探して目を泳がせる俺の、少しだけ下を見て急に真面目になるもっちー
持田「知ってるの?」
北人「何を?」
持田「…Aちゃっ、」
「すいません遅くなりました!」
何かを言いかけたもっちーは、Aちゃんが入ってきたことを確認すると「やっぱり何でもない」と首を横に振って離れていった。
北人「え、何だったんだろ…」
「北人くん!」
北人「……目、バレなそうだね」
周りのスタッフさんとかに頭を下げながら近付いてきたAちゃんの目元にそっと触れる。
「バレないようにメイクしてきたの笑」
北人「さすがヘアメイクさん笑」
「……今度こそ、ちゃんと見てるからね」
…そんなこと言って、俺がどんどん好きになっちゃっても知らないからね。
そんな俺の気も他所に、「かっこいい北人くん、目に焼き付ける」って言いながら、ズボンのポケットから携帯を取り出して
北人「目に焼き付けるなら携帯いらないでしょ笑」
「……そっか!」
たまに、大人とは思えない天然をかまして。
『再開しまーす』
「あっ、ほらほら!行ってらっしゃい!」
監督が合図を出すと、メンバーが椅子から立ち上がってざわつき始める。
その流れに乗るように、俺の背中を叩いて「頑張れ頑張れ頑張れ」って何回も念を押してくるAちゃんの方に振り返る。
北人「…前半来なかった罰として、俺だけ見てて!」
「えっ」
北人「行ってきます!」
驚くAちゃんに敬礼をして小走りでメンバーの元へ向かう。
途中で背中に
「そんなの無理だよ〜!」
って言葉が掛かったけど笑
.
壱馬「相変わらずやな笑」
北人「ん?」
壱馬「…なんも」
"頑張ろな" と、壱馬に肩を叩かれて気を引き締めた。
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# 岩萌(プロフ) - 茂結田さん» 更新通知来た瞬間読みます笑
たまたまそれが流れたんですけどね。切なかった…笑 (2017年10月10日 20時) (携帯から) (レス) id: 32fbb0b927 (このIDを非表示/違反報告)
茂結田(プロフ) - # 岩萌さん» ありがとうございます(T ^ T)ついに、です笑 これからの展開にも是非注目していただきたいです!言われてみれば、人魚姫の物語と似てますね…笑 (2017年10月10日 20時) (レス) id: 9d38b03f33 (このIDを非表示/違反報告)
茂結田(プロフ) - びすさん» ありがとうございます!!これからも切なさを追求していくつもりです笑 北人の性格と雰囲気をしっかり届けられるようにこれからも更新頑張ります!本当にありがとうございます(^^) (2017年10月10日 20時) (レス) id: 9d38b03f33 (このIDを非表示/違反報告)
茂結田(プロフ) - 青葉さん» ありがとうございます!北人の健気さと、この話の切なさを伝えられるようにこれからも更新頑張ります!(^^) (2017年10月10日 20時) (レス) id: 9d38b03f33 (このIDを非表示/違反報告)
# 岩萌(プロフ) - 茂結田さん» いやいや全然待ちますよ!今回もやばかったです、ついにって感じですね!ニヤけが止まらない(//∇//)
人魚姫聴きながら読むと涙出そうになる…笑 (2017年10月9日 10時) (携帯から) (レス) id: 32fbb0b927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茂結田 | 作成日時:2017年8月30日 20時