45『隣人』× Itsuki.F ページ45
(樹side)
.
樹「……あ、運転手さん、止まって下さい」
運転手「いいんですか？」
樹「はい、同じマンションの方なので、」
運転手「ありがとうございます」
タクシーの後部座席から見えた、タクシー待ちをしている女の人
.
「お願いしま……って、あ、同乗ですか？」
運転手「そちらのお客様が、同じマンションの方だと仰っていたので…」
「……え、あれ？樹くん？」
樹「どうも、後ろどうぞ」
「うん、そうする」
彼女は、同じマンションの…隣の部屋のAさん
俺よりひとつ上で、仕事をしていて
「樹くん、仕事終わり？」
樹「はい、Aさんもですか？」
「そうそう、今日は少し残ってやってきた」
スーツを綺麗に着こなして、携帯じゃなくて腕時計で時間を確認するAさんは…
俺の片想いの人
運転手に止めるように促したのは、同じマンションだったからっていう理由だけじゃなくて
それがAさんだったからっていう理由もある。
「夜に樹くんと会うのは初めてだね」
樹「……そうですね」
「朝は出る時間が同じな事多いもんね」
タイトスカートから出る白い脚
長い髪を耳にかける仕草
ほのかに香るきつくない、甘い香水の匂い
そんなものを見てはドキドキする自分に「変態」と心の中で喝を入れて、
出来るだけ見ないように窓の外を眺めた。
.
樹「……え、」
暫く窓の外を眺めていると、急に肩に重みがかかって振り向くと
樹「…勘弁して」
寄り掛かっているのはAさんで。
運転手「お疲れのようですね」
どうしようかと悩んでいると、鏡越しにこっちを見て笑った運転手さんの言葉に
"起こしたらダメなやつだ"
と確信した。
見ないように見ないように と避けていた自分の想い人が密着していて、せっかく落ち着き始めた心臓も再び激しく鳴り出した。
運転手「…お似合いですね」
樹「いや、ちがっ」
運転手「彼女さんも幸せそうな顔して寝ていらっしゃる」
樹「え？」
思わぬ言葉にAさんの顔を覗き込んでみると、確かに、少しだけ口角が上がっているように見えて
安心しきった顔をしていた。
「ん…」
柔らかい頬をそっと撫でると、肩に擦り寄るようにして顔を動かす。
樹「…そんなに安心されても困る」
俺だって男
しかも貴方を好きな男
……でも、今だけ
いつも会う朝じゃない、今この夜この瞬間だけ
樹「…彼女、」
俺の恋人になってください
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青 - 続けてのコメントですみません...。 真っ黒な瞳に吸い込まれそうになって思わず見惚れてしまった。 これ名が抜けてませんか？ 正しくはさっきの悪戯な笑みとはではないんでしょうか？ (2019年10月21日 23時) (
レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
青 - こんばんは(*^^*) 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 13「ヘアメイク」×Kazuma.Kのここの部分 さっきの悪戯笑みとは違って優しく微笑んだ壱馬くんの顔が、綺麗で。 (2019年10月21日 23時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
青 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません...。 この作品ってメンバーさんとの色んなお話があるので短編の作品ってことなんですかね？ (2019年10月21日 20時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
茂結田(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます(T ^ T)更新は不定期ですがこれからも読み続けて頂けると嬉しいです！(^^) (2017年11月25日 22時) (レス) id: 9d38b03f33 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - LDHグループ大好きです更新大変だと思いますが頑張ってください応援してますこの小説最高です (2017年11月24日 14時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茂結田 | 作成日時：2017年8月21日 1時
