玖話* 出来る事 ページ10
「父さん…お願い、助けて……
少しでいいから…私に力を与えて…」
Aは何も出来ない無力な自分に打ちひしがれ、
大太刀に縋りながら涙を流し続けた。
弟と同じくらいの歳の少年が戦っている。
助けたい。
でも、ただの人間にはどうにも出来ない。
もし、自分も戦う事が出来たなら。
「戦う勇気を…力を、私にちょうだい……
お願いよ…父さん、母さん……有一郎…無一郎……」
すると、ふと頭の中に懐かしい人達の声が聞こえてくる。
……優しくて、柔らかくて、温かい声だ。
〈 お前は、あの子を救いたいんだね？ 〉
「そうよっ、！あのままじゃ炭ちゃん死んじゃう…
せめて私が戦えたら…助けてあげられたら……っ！」
〈 大丈夫、Aなら出来るわ、強い子だもの 〉
「戦いたい……でもっ、私は戦う訓練なんて…」
〈 姉さん、自分が凄い強いの忘れたの？
俺たちが熊に襲われた時、助けてくれたじゃん。
それに、猪からも守ってくれただろ 〉
「……っ、私に…出来るかしら……
鬼と動物は全く違うのよ……？
ねぇ、出来るの…？あの子を…炭ちゃんを守れる…？」
〈 きっと出来るよ、姉さんなら。
強い人なんだから、みんなを必ず守れる 〉
心が、ふわりと軽くなる。
まるで心臓を縛りつけていた鎖が解けたように。
体にのしかかっていた重圧から解放されたかのように。
「そうよね……私は強い子、ちゃんと守れる……
大丈夫、私には家族がついてるから…！」
ぐっと握った拳を胸に当て、
Aは何かを決意したように大太刀を見つめた。
そして重い着物を脱ぎ捨て
家を出る時に着ていた動きやすい袴に着替え、
大太刀をその背に背負う。
家族の想いが詰まった、この大太刀なら。
ややもすれば、炭治郎たちを救えるかもしれない。
Aには、そういった不思議な確信があった。
「死なせない……私が、炭ちゃんたちを守る…っ！」
そして大太刀を背負った彼女は、
戦いに巻き込まれ瓦礫だらけになった花街へと飛び出して行った。
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えご(プロフ) - 身請け話どうなったの？？ (2022年9月16日 1時) (
レス) @page16 id: d39d0d8832 (このIDを非表示/違反報告)
いちごミルク - 見受け先のボンボンは？ (2021年9月20日 19時) (レス) id: 2a355457dd (このIDを非表示/違反報告)
るはこ - 私、柱での推しはむい君なんです！なので、最高でした！ (2020年12月7日 22時) (レス) id: c60a472fe3 (このIDを非表示/違反報告)
れーんーりー - 待って！身請け相手は！どうなったの!?好きです。頑張ってください！ (2020年12月2日 18時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
しろここあ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！すいませんほんと単純な疑問だったんですけど、身請け相手はどうなったんですかね((((( (2020年11月15日 3時) (レス) id: 24437a8857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春蘭 | 作成日時：2020年11月3日 21時
