陸話* 正体 ページ7
「じゃあ明日の仕事に備えて、
お前も早く体を休めるんだよ？」
「はい女将さん。おやすみなさい」
一日の仕事を終えて、
Aはのんびりとした足取りで部屋に戻る。
すでに敷かれている布団の上に座ると、
背後から「Aさん」と彼女の名を呼ぶ声がした。
そこには緑と黒の市松模様の羽織を着た少年が、
刀を携え真剣な眼差しでこちらを見つめながら座っている。
「……炭ちゃん、よね？」
「はい。
俺は実は男で、訳あって女性に変装していました」
「あ、それは知っているの。鯉夏姐さんと……
あと、宇髄様という方にあなたを頼むとお願いされてたから」
「えっ……まさかAさんにまでばれていたとは…」
しゅん、と肩を落とす炭治郎を見て、
Aは少し面白くて、柔らかく ふふっと微笑んだ。
「鬼殺隊の、隊員さんだそうね」
「！はい、俺はまだまだ下っ端ですが……」
「炭ちゃん、本当のお名前はなんと言うの？」
「炭治郎です。竈門炭治郎といいます」
「炭治郎…いいお名前ね。
炭治郎くん、火仕事をするお家に産まれたのでしょう？
だから赫灼の子だったのね、納得したわ」
「え、何でそれを……」
「私の死んだ父もね、あなたと同じ目をしていたわ」
とても温かくて、優しい目だった。
Aは大太刀に触れながら、亡き父を思い出す。
「あなたの目は、見ていて心地が良いわ」
「そ、そうですか？何だか照れますね……」
「……ねぇ、ひとつ聞いてもいいかしら」
「はい！何でしょう」
「時透無一郎、という子どもを、知っている？」
「時透……あ、霞柱の時透くんですね！分かりますよ！」
「そう…」
「凄いですよねあの人！
鬼殺隊に入って二ヶ月で柱になった天才剣士らしいです！」
「立派になったのね、あの子も」
「ところでどうして時透くんのことをご存知なんですか？」
「……私はここではAとしか名乗れないけど、
本当の名は、時透Aと言うの」
「時透…ってことは、まさか、えっ！」
「ええそうよ。無一郎は、私の弟なの」
「えぇ！？」と炭治郎は目を白黒させて驚いている。
「時透くんにお姉さんが……」
「いや、言われてみれば似てる気がしなくもないし……」
顎に手を当ててボソボソと呟く炭治郎を見て、
Aはふっと笑った。
そして彼の手を取り、優しくこう言った。
「炭ちゃん、怪我をしないようにね。ご武運を」
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えご(プロフ) - 身請け話どうなったの？？ (2022年9月16日 1時) (
レス) @page16 id: d39d0d8832 (このIDを非表示/違反報告)
いちごミルク - 見受け先のボンボンは？ (2021年9月20日 19時) (レス) id: 2a355457dd (このIDを非表示/違反報告)
るはこ - 私、柱での推しはむい君なんです！なので、最高でした！ (2020年12月7日 22時) (レス) id: c60a472fe3 (このIDを非表示/違反報告)
れーんーりー - 待って！身請け相手は！どうなったの!?好きです。頑張ってください！ (2020年12月2日 18時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
しろここあ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！すいませんほんと単純な疑問だったんですけど、身請け相手はどうなったんですかね((((( (2020年11月15日 3時) (レス) id: 24437a8857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春蘭 | 作成日時：2020年11月3日 21時
