参話* 手紙 ページ4
「宇髄さん」
「んあ？おう時透か、どうした」
音柱の宇髄は任務へ赴く前、霞柱の時透と会った。
いつもぼーっとしている時透なのだが、
何だかその日だけ、とても真剣な面をしていた。
「任務で、遊郭に行くんだよね」
「おう、それがどうしたよ？」
「……これ、Aって人に渡してほしいんだけど」
そう言って小さな封筒を取り出す時透。
こいつが誰かに手紙なんて珍しいなと思いつつ、
宇髄はその白い封筒を受け取った。
「Aって誰だ？想い人か？」
「…………四年前に遊郭に行った、姉さんの名前」
「おぉ……派手に暗い話ぶち込んでくるのやめろ」
「宇髄さんが振ってきたんじゃん」
声色は不機嫌、表情は変えないまま、
時透は続けた。
「……姉さん、元気だといいなって」
「ついでによぉ、店の名前も教えてくんねぇか？」
「僕、そういう事は覚えてないから。
手紙を姉さんに渡してくれればいいよ。
姉さんの事は、ちゃんと宇髄さんが守ってよね」
「おぉう、随分派手に無理な注文をつけてくれるな」
「え、嘘でしょ出来ないの？」
「出来るわクソガキ」
年上なめんな、と時透の頭をガシガシと撫でる宇髄。
時透は髪をボサボサにしたまま、
「それじゃあ、僕任務があるから」と姿を消した。
時透には悪いと思ったが、
封を切って中身を覗かせてもらった。
封筒は新しくすればいいだけの事だから。
「……ほぉ〜ん？姉想いじゃねぇか、時透のヤツ」
＊*＊*＊*＊*＊
「炭ちゃん、ありがとうね。
こんな沢山の荷物運んでもらっちゃって……」
「いえ！いい人なんですね、秀也さん。
こんなに沢山の贈り物を下さるなんて……
お…私たちまでお菓子頂いちゃって」
「ええ、とてもいい方なの。
他人を思いやる心を持っていらっしゃるからね」
「あ、女将さんが呼んでるので失礼します！
ご用があったら、またいつでも呼んでくださいねっ！」
「ええ、頑張ってね」
炭子を見送ったあと、
Aは背後に人の気配を感じて振り返った。
そこには背中に大きな刀を背負った、
屈強な、しかしなかなかの色男が窓辺に座っていた。
「よぉ、あんたがA花魁で合ってるよな？」
「……どちら様で？」
「おっと、怪しまなくてもいいぜ。
俺は手紙を渡すように頼まれただけの人間だからな」
「手紙……？」
「時透無一郎、って言ったら分かるだろ？」
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えご(プロフ) - 身請け話どうなったの？？ (2022年9月16日 1時) (
レス) @page16 id: d39d0d8832 (このIDを非表示/違反報告)
いちごミルク - 見受け先のボンボンは？ (2021年9月20日 19時) (レス) id: 2a355457dd (このIDを非表示/違反報告)
るはこ - 私、柱での推しはむい君なんです！なので、最高でした！ (2020年12月7日 22時) (レス) id: c60a472fe3 (このIDを非表示/違反報告)
れーんーりー - 待って！身請け相手は！どうなったの!?好きです。頑張ってください！ (2020年12月2日 18時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
しろここあ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！すいませんほんと単純な疑問だったんですけど、身請け相手はどうなったんですかね((((( (2020年11月15日 3時) (レス) id: 24437a8857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春蘭 | 作成日時：2020年11月3日 21時
