弐拾話* 甘露寺蜜璃 ページ21
「蜜璃ちゃんも、これから温泉？」
「そうなのっ！ここの温泉はお肌にいいって聞いたから！
剣士だけど、ひとりの女の子としては、
お肌は綺麗な状態で保ちたいものじゃない？」
「ふふ、そうね。蜜璃ちゃんの言う通りだわ」
美容について熱く語る甘露寺の話を、
Aはにこにこと微笑み、相槌を打ちながら聞いていた。
柱という圧倒的な実力を持つ剣士とはいえど、
やはり年頃の女の子のようで愛らしい。
「あっ！あったわ温泉！早速入りましょう！」
「ええ、ゆっくり温まりましょうね」
温泉に浸かってみると体が芯から温まるような、
なんとも言えない心地良さに包まれた。
先日遊郭で鬼と戦った時に溜まった、
手足の疲労感や肩の凝りまで抜けていくようだ。
ふと隣を見ると、
甘露寺がAの肌をじっと見ている事に気が付いた。
「蜜璃ちゃん？」
「ねぇ、Aちゃんのお肌ってとても綺麗ね！」
「ふふふ。嬉しいわ、ありがとう。
綺麗な肌じゃないとお客様はつかなかったし、
自分を美しく保たないと花魁ではいられなかったから」
「そ、そうだったわね、Aちゃんは元々花魁で……」
ふと甘露寺は気まずい事でも考えたのか、
その顔を少し曇らせた。
表情から彼女の心中を察し、
Aは「大丈夫よ」と甘露寺の肩に手を乗せた。
「私は確かに花魁だったけど、まだ床入りはしてないわ。
だから安心していいわよ、蜜璃ちゃん」
「あ…そうなのね！Aちゃん私より歳下なのに、
空気が大人びてるからもしかして、って思っちゃって」
「ふふ、心配してくれてありがとう」
そして今度はAが、
「ところで、蜜璃ちゃんは何故鬼殺隊に？」と尋ねる。
すると甘露寺は恥ずかしそうに頬に手を当て、
Aに耳打ちするようにコソコソと話した。
「実はね、添い遂げる殿方を探すために鬼殺隊に入ったの」
「……鬼殺隊で、旦那様探しを？」
「そうなのっ！でもみんな凄く強かったから、
私も柱にならないとって一生懸命訓練したのよ！」
「凄いのね、蜜璃ちゃん。
添い遂げる方を探すために、柱にまでなるなんて…」
でも柱になったということは、
柱という数名の中でしか御相手を見つけられないのでは…？
と思ったのは内緒だ。
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えご(プロフ) - 身請け話どうなったの？？ (2022年9月16日 1時) (
レス) @page16 id: d39d0d8832 (このIDを非表示/違反報告)
いちごミルク - 見受け先のボンボンは？ (2021年9月20日 19時) (レス) id: 2a355457dd (このIDを非表示/違反報告)
るはこ - 私、柱での推しはむい君なんです！なので、最高でした！ (2020年12月7日 22時) (レス) id: c60a472fe3 (このIDを非表示/違反報告)
れーんーりー - 待って！身請け相手は！どうなったの!?好きです。頑張ってください！ (2020年12月2日 18時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
しろここあ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！すいませんほんと単純な疑問だったんですけど、身請け相手はどうなったんですかね((((( (2020年11月15日 3時) (レス) id: 24437a8857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春蘭 | 作成日時：2020年11月3日 21時
