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幸せが九滴 ページ9

「何あれ……目?

 うわぁキモチワル……」





先程の触手に無数についている
「夢」と文字が刻まれた巨大な目が、

炭治郎と伊之助を、視界に捉えて眠らせようとしていた。


あの血鬼術は恐らく、

視線を合わせて眠らせ、戦闘不能にするもの。



だとしたら。





「目を潰す!炎の呼吸 肆ノ型!盛炎のうねり!!」





一番上から次々と、

ギョロギョロと動く鬼の目を斬っていく。



操縦室へ降り立ったその時には、

炭治郎が左の脇腹を抑えて顔を歪めていた。



その傍には、錐を持った運転手が倒れている。





「炭治郎くん!刺された!?大丈夫!?」



「っ、はい!それよりAさん!

 鬼の首を斬るので、手伝ってください!!」



「分かった!周辺の目は全て私が潰す!!

 君達はそこに隠れてる首を斬るのに集中して!!」



「ありがとうございます!!」





スっと目を閉じ、息を吐く。



全身に酸素が行き渡るように呼吸を繰り返すと、

視界が冴え渡って体から余分な力が抜けた。





「炭治郎くん達の邪魔はさせない……

 炎の呼吸 伍ノ型!炎虎!!」





Aが刀を振るうと、

炎の虎が触手の壁を駆け上がり、目を確実に潰していく。



一番上まで虎が駆け上がったところで、

炭治郎達が首を斬ったのだろう、鬼の断末魔が響いた。



__________と同時に、

車両が激しく揺れ、ドンドン傾いていく。





「(しまった、脱線する!受身が取れな…っ)」



「言っただろう、君は俺が守るとな」





そこへ響いた、聞き慣れた声。



本来ならば後方車両を守っているはずの、

師匠の姿がそこにはあった。



凄まじい轟音と共に、列車は横転する。



中に居る二百人の乗客は、無事だろうか。





「あ、あの師範」



「うむ、なんだ!」



「助けてくれて有難うございましたって言うのと、

 乗客は無事、でしょうか…?」



「被害が最小限に留まるよう、
 列車の至る所に切り込みを入れてきた!

 恐らく心配は要らないだろう!」



「そう、ですか……良かった……」





煉獄に下ろしてもらって、Aは辺りを見回した。


まだ夜闇が周囲を包んでいて薄暗い。





「炭治郎くんが腹部を刺されて怪我をしていました。

 大丈夫なのでしょうか……?」



「俺が見てこよう!

 Aは乗客の救出を最優先に!」



「はっ」

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きのこ - 映画見た後で目かパンパンになった時に読ませて頂いたのですが.....何この神作品。涙腺崩壊しました((( (2020年11月22日 21時) (レス) id: 2a559184c7 (このIDを非表示/違反報告)
すぱ - 煉獄さんロスで徐に検索してこの作品を見つけたのですが、この作品を一番初めに読めて良かったです。ありがとうございました。 (2020年10月26日 3時) (レス) id: 3be3f0c040 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)太中大好き人間(プロフ) - 今日見始めたのですが、夢中ですぐに全て読んでしまいました!煉獄さんは何処までも愛する人の幸せを祈っているという事に涙しました。ifストーリーの方も、また会えて、幸せになれて、本当に良かったです。貴方の作品にとても胸を打たれ、また見たいと思いました。 (2020年10月25日 4時) (レス) id: 5bc9e3e078 (このIDを非表示/違反報告)
らんたん(プロフ) - とっても素敵な作品を有難うございます…。煉獄さんのifストーリーは胸にくるものがあります。語彙力がなくてまとめられないんですが、改めて素敵な作品を有難うございました。ほっこり幸せな気持ちになれました。 (2020年10月25日 0時) (レス) id: 1e7e266fc1 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - 杏寿郎さんとの幸せです!本当良かったょょょょょょおおおお(泣く) (2020年10月24日 15時) (レス) id: 5e245d9090 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春蘭 | 作成日時:2020年10月23日 17時

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