幸せが七滴 ページ7
鬼の少女と数秒間見つめ合い、
Aはハッとある事を思い出した。
「……そういえば、
以前師範に鬼の女の子の話を聞いたような…」
桃色の着物を着て、竹をくわえた少女の鬼。
人を襲わない、稀有な鬼だとか。
その鬼の少女の名は、確か……
「あなたもしかして、竈門禰豆子、ちゃん？」
「む！むぅ〜！」
そうだそうだとぴょんぴょこ飛び跳ねる少女。
鬼の筈なのにどこか愛らしく、
Aの頬が、自然と緩んでしまっていた。
「なら…この人達の誰かが、お兄さんの竈門炭治郎？」
「む、むっ！むぅ〜！！」
禰豆子は、市松模様の羽織の少年を指さす。
彼が竈門炭治郎か。
「……禰豆子ちゃん、手伝ってほしい事があるの」
「む？」
「お兄ちゃんを起こしてくれる？
いつ鬼が襲撃して来るのか分からないの」
「んむ！むっ！」
「ふふ、ありがとう」
禰豆子は炭治郎の体を揺すったり、
彼の手を自分の頭に乗せて撫でさせたりする。
しかし炭治郎は苦しそうに唸るだけで目を覚まさず、
禰豆子は全力で彼の頭に頭突きをお見舞した。
「い、今凄く鈍い音がしたけど……大丈夫？」
「………………う、むぅ〜〜〜！！！」
「い、痛かったね、大丈夫だよ！
痛いの痛いの〜飛んで行け〜！もう痛くないよ〜！」
抱き着いて来て泣き出す禰豆子の額をよしよしと撫でて、
流れる血を止めようとする。
すると、その瞬間だった。
「むぅ〜！！！！！！！！」
「わっ……火が！！！」
炭治郎を赤い炎が包む。
Aにもその炎が飛び火したのだが……
「熱く、ない……？」
その火は、とても心地よい温かさだった。
そしてその火に刺激され、
炭治郎が真っ青な表情で目を覚ました。
「はぁ、はぁ、はぁ、！」
「……大丈夫？竈門炭治郎くん」
「あ、え、あなたは……」
「私は階級甲、
煉獄杏寿郎様の継子…なん、だけど……」
視線の先には、
眠ったまま少女の首を絞めている煉獄が。
「この状況をどうにかしないと……」
「……出来るかもしれないです！禰豆子！」
「む！」
「この縄を燃やしてくれ、頼む！」
「切っちゃ駄目かな……」
「俺の直感が駄目だって言ってます！！」
「そ、そう……」
迷いなく言い切る炭治郎に、
Aは煉獄に似た何かを感じて苦笑いを浮かべた。
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きのこ - 映画見た後で目かパンパンになった時に読ませて頂いたのですが.....何この神作品。涙腺崩壊しました((( (2020年11月22日 21時) (
レス) id: 2a559184c7 (このIDを非表示/違反報告)
すぱ - 煉獄さんロスで徐に検索してこの作品を見つけたのですが、この作品を一番初めに読めて良かったです。ありがとうございました。 (2020年10月26日 3時) (レス) id: 3be3f0c040 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)太中大好き人間(プロフ) - 今日見始めたのですが、夢中ですぐに全て読んでしまいました！煉獄さんは何処までも愛する人の幸せを祈っているという事に涙しました。ifストーリーの方も、また会えて、幸せになれて、本当に良かったです。貴方の作品にとても胸を打たれ、また見たいと思いました。 (2020年10月25日 4時) (レス) id: 5bc9e3e078 (このIDを非表示/違反報告)
らんたん(プロフ) - とっても素敵な作品を有難うございます…。煉獄さんのifストーリーは胸にくるものがあります。語彙力がなくてまとめられないんですが、改めて素敵な作品を有難うございました。ほっこり幸せな気持ちになれました。 (2020年10月25日 0時) (レス) id: 1e7e266fc1 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - 杏寿郎さんとの幸せです！本当良かったょょょょょょおおおお（泣く） (2020年10月24日 15時) (レス) id: 5e245d9090 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春蘭 | 作成日時：2020年10月23日 17時
