偶然には愛を (ページ20)

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｢りんご飴食べる?｣

『食べたいです!』

｢よし、じゃあ行こ｣

空が暗くなって、立ち並ぶ多くの屋台の光に照らされる

ほぼ中間地点、私は一瞬一瞬を噛み締めていた

先生、楽しい?

私は楽しいよ、とっても幸せ

｢楽しいね｣

『...はい!』

りんご飴を片手に持ちながら先生は言った

今、同じ気持ちなんだ

それに気づいた瞬間、嬉しさを通り越した何かで満たされた

｢あ、口に付いてる笑
じっとしてて｣

立ち止まると、唇に小笠原の指が触れた

これ、よく少女漫画で見るやつ...!

『ありがとうございます...』

名残惜しく離れると、私は訳も分からず俯いた

「可愛い｣

『からかってます?』

｢ううん、本心｣

軽く否定された後、ポンっと頭を撫でられた

そのまま行ってしまった小笠原を追いかけようとすると、人混みに紛れて姿が分からなくなった

『あ、あれ...?』

やばい

*