偶然には愛を (ページ14)

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───2週間後

晃｢お前、今年夏祭り行くんか?｣

『ぜーんぜん決めてない』

晃｢そういや受験生か｣

『もうやだぁ』

無事赤点なしで期末テストを終えた私は、終業式の帰りにたまたま会ったこーちゃんとカフェで一息ついていた

なお、夏休み気分ではない

話題は再来週の土曜日にある夏祭り

晃｢それこそ好きな人と行ったらええんちゃうの?せっかくなんやし｣

『だ、ダメだよ!行けるどころか、まず誘う所からハードル高いんだから』

晃｢そいつ、学年一のモテ男とかか？｣

『いや、なんか…そうじゃないけど、まずい』

まずいどころか100％アウト

先生を夏祭り(=デート)に誘うとか、1発でバッターアウトでチェンジだよ!!

…さっきから、アイスコーヒーのストロー咥えながらこっちを見つめてくるこーちゃんが怖い

晃｢禁断の恋か?｣

『へ?』

晃｢禁断の恋、してんのか?｣

この人エスパーなの？

『そ、そういうんじゃない!違うから!』

晃｢ほんっま素直ちゃうな。こーちゃんが何でも聞いたるから言うてみ?｣

『うぅ…』

こーちゃんは聞き上手だと思う

小学生時代に私が友達と喧嘩してわんわん泣いた時だって、私の話を一切遮らず真剣な顔して、うんうん、と頷いて聞いてくれた

最後に、偉いなAは、って頭を優しく撫でてくれる

自慢のいとこ

…ってなんか言ってる場合じゃないけど

『…それでね?』

晃｢おん｣

なんやかんや私は洗いざらい全部話した

小笠原との関係、私の気持ち、今まであった事…

初めてこういう話を誰かとしたから分かったけど、好きな人の話って止まらなくなっちゃう

晃｢青春しとんなー｣

一通り話を聞いたこーちゃんが懐かしむように一言

青春してる、って自分ではあんまり分かんないけど、誰かに言われるとそうかもしれない

『で、抱きしめられた』

晃｢お前それ脈アリやろ｣

『そうだったら色々困るよ』

晃｢やと思うねんけどな
てか俺、1回そいつと会ってみたいわー｣

『意外と気、合うかもね』

こーちゃんは誰とでも仲良くなれそうな気がする

*