検索窓
今日:7 hit、昨日:9 hit、合計:25,677 hit

花「五十三話目。」 ページ10

敦saido



初めて綾乃に遭ったのは確か………。






敦「太宰さん何処行ったんだろう……。」

何時も通り太宰さんを探していると裏路地から女の子の声がした。

少女「ひっく……お母さん……。」

声を掛けようとしたとき何処からか見覚えがあるような女性が女の子に声を掛けたんだ。

?「君、こんな処でどうしたんだい?」

少女「お母さんとね……はぐれちゃったの………うぅ………。」

?「そっか、じゃあ少し待ってお母さんと会えないようだったら
  お巡りさんの処へ行こうね。」

少女「うん………。」

?「………それじゃあ君に魔法の飴をあげよう!お母さんと絶対に遭えると思い乍
  この飴を舐めてごらん?」

少女「うん…!」

そんなありもしないような魔法という言葉で女の子を安心させるその人の表情は
とても優しく微笑んでいた。
すると彼女が云った通り女の子の母親らしき人が二人に向かって走っていった。

母「かほ!」

少女「お母さん!」

母「善かった………有難うございます……。」

?「いえいえ、私は特に何もしていませんよ。」

少女「ううん、お姉ちゃんが魔法の飴をくれたからお母さんに遭えたんだよ!」

?「うふふッ……そうかい。」

母「本当に有難うございます……!」

?「此処等はマフィアが彷徨いてますから気を付けてくださいね。」

母「はい。」

少女「お姉ちゃんは優しいね。」

?「そんなこと無いよ、寧ろ私を優しいと思える君の方が優しいよ
  さあ、危ないから疾く大通りに戻った方が善い。」

貴方は充分優しい。
普通、迷子の少女に話し掛けるなんて大通りを歩いている人間には出来ないと思う。
だって、皆自分の事ばっかりなんだ。

そしていつの間にか親子は居なくなっていた。

?「………君も疾く大通りに戻った方が善い。ポートマフィアに囲まれる前に。」

敦「え………?」

?「幾ら停戦中とはいえ自らマフィアの縄張りに立ち入るのは間違いだ。
  ほら、疾く戻れ私が部下を呼ぶ前に。」

敦「もしかしてお前はッ…!」

?「私はポートマフィアの幹部をやっている者だ。人虎、また君とは何れ遭う。またその日迄。」

そう云って彼女は闇に消えた。

矢張りあの雰囲気は太宰さんと一緒だ。






その後直ぐに彼女の正体が判った。
僕の上司、太宰さんの妹であり、ポートマフィア史上歴代最年少幹部だった。
あの優しい人は嘘だったのか、本当だったのか僕には解らない。

松「五十四話!」→←綾、敦「「五十二話目。」」



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
71人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

butterfly - 一万hit………?あざああああああすッ!!! (2018年12月15日 22時) (レス) id: 78aac5f523 (このIDを非表示/違反報告)
櫻夢 - 完結、此処まで付き合ってくださった皆様、本当に有難うございました。 (2018年11月4日 18時) (レス) id: a7ea16ccfe (このIDを非表示/違反報告)
パステル - 明日は晴れますか?→私の思いは晴れますか。日が沈みますよ。→さようなら、また会う日まで。 (2018年10月28日 14時) (レス) id: a7ea16ccfe (このIDを非表示/違反報告)
パステル - 中原中也の命日、あと一時間で終わる。← (2018年10月22日 23時) (レス) id: eeb37e86ec (このIDを非表示/違反報告)
パステル - 乱歩さん誕生日おめでとおおおおおおお!!!三期も名探偵としてがんばってくださああああああああい!!!! (2018年10月21日 22時) (レス) id: eeb37e86ec (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:櫻夢 | 作成日時:2018年8月17日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。