2期3話「勝利の為に」 ページ48
部屋を見回すと匂いの原因はすぐに分かった。しかし四獣はそれを見た途端本能的な恐怖を覚えた。
そこには花があった。ケシの花だ。どうやらそこから匂いは出ているらしい。しかし恐怖を感じたのはその下にあるものだった。赤く輝きゆらゆらと揺れるもの。炎だった。四獣はそろって毛を逆立てて身じろぎした。
しかし炎はどんどん大きく僕たちを飲み込もうとしている。
雄牛「うわぁぁぁ助けてくれぇ!」
とっさに叫んだ。他の三獣も同じような状況だったっと思う。正直記憶も曖昧になっていた。
狂乱状態になっていた時、耳元で声がした。
族長「安心しろ。それは幻だ。」
はっと目が覚めた。他の三獣は気を失っているようだ。
族長「初めてで意識を保っていられるとはさすがあいつの息子、英雄の名は伊達ではないようだな。」
返事をしようとしても意識がもうろうとして言葉を組み立てられない。それを察したのか族長は穏やかな声で、
族長「無理に動こうとせんでよい。ただこれは人間の脳も犯す匂いだ。これを乗り越えると動物として格段に成長できるということだけ言っておこう。」
ほとんど会話の内容は覚えていないが動物・・・その言葉は人間に対抗する同志の名前のようでとても心強かったのだけは覚えている。
族長「彼らを部屋に案内してあげなさい。」
カラス「はい」
曖昧な意識の中人間をも犯すものに打ち勝てるかもしれない、すなわち人間を超えることのできる希望だけは恐怖の対象たる炎のように心の中で燃えていた。
次回「恐怖と希望」
スピンオフ『母は強し』→←第2期 番外編1 「血濡れし戦い」
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不登校の自殺志願者 - コメ欄から来ちゃいました!!いやぁー凄いですよね。めちゃくちゃ続いてる。私が見た時は500コメ超えてました。 (2019年5月15日 11時) (レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コメ欄の作者達 | 作成日時:2017年8月17日 22時