ドナドナ (ページ5)

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走り去ろうとする雄牛、
リーダー各のカウボーイからは、余裕の笑みが消え、雄牛の後ろ姿を見ながら言った。
「残念だったなぁ、その先は、てめぇの地獄だ」
雄牛は、突然足を取られ、動けなくなった。雄牛が逃げ込んだ先は、深い沼だった。
そう、リーダー各のカウボーイは、二重の策を練っていたのである。
足に絡んだ縄が沼の水を吸い重たくなる。足は、沼に完全に浸かっている。
動けなくなった雄牛は、雨の中、雄たけびを上げ自らの敗北を痛感した。

吹き飛ばされた新米のカウボーイが、頭から血を流し、ホルダーからリボルバーを取り出し、構える。
動けない雄牛に向けて叫ぶ「てめぇよくもやってくれたな！」雷が鳴った瞬間雄牛は、撃たれる事を覚悟した

「てめぇの短銃でやれるような牛じゃねぇよ」とリーダー格のカウボーイは、口たばこを吐きながら、
新米カウボーイが構えているリバルバーの撃鉄に鞭を挟み雄牛を助けた。
カウボーイのリーダーは、雄牛を見ていった
「肉にするには勿体ねぇ、縛りあげて、連れてこい。こいつをヒーローにしてやる！」

そう、「テンガロハットカウボーイ」は、カウボーイたちの聖祭「ロデオ」に使う
野生でたくましい雄牛を探していたのだ。

次回、第五章「ロデオ」