ドナドナ (ページ14)

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第13章『新たなる協力者』ページ14

増水し、暴れ狂う川の流れとは反対方向にパラディンホワイトはスタスタと歩いていく。グランドブラックもそれに続く。
「どうした、早くついてこい」
立ち止まったままの『英雄』に、パラディンホワイトは訝しげな顔でそう言った。

川を上流に沿って歩いて行くとすぐのところに、巨大な岩が立ち並ぶ一種の岩場にたどり着いた一行。川は轟音を立てて流れる。そんな中、誰かが声をあげた。
「久しぶりだな。パラディンホワイト」
それは、三体のものとは全く別物の声だった。
見れば目の前にはいつからそこにいたのか、もう一体、シルエットがあった。
「ああ、最後にあったのはいつだったか。久しいな。『ダークシュヴァイン』」
隆起した筋肉。黒い肌に刻まれた数々の傷。口元から生えたどんな物でも穿つ牙。それらがソイツの強さを物語っていた。

豚と言う生き物は本来、イノシシと同じ生き物に定義される。強い突進力。鋭い牙。警戒を怠らない精神力。それらが合わさり、猟犬や人間をも圧倒する力を持つ生き物。それがイノシシだ。それは目の前に立つ男、ダークシュヴァインからもその強さはひしひしと伝わって来た。

ーー頼もしい仲間が増えたな。

『英雄』は、心の中で密かにそう呟いた。

第14章『四獣の咆哮』