【男主】I’ve never loved anyone like this.【センラ】 (ページ17)

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16話－村上side－ページ17

「初めて、なぁ……」

「笑いたいなら笑えばええやろ、堪えんなや」

「いや、だって、、ﾌﾟｯ､」

「ええやん！初めてでも！」

あの後Aはコンビニで大量にパンやらお菓子やらを買い込み

行きつけの場所があんねん！

と、行きつけらしいだだっ広い公園に連れてこられた。

「お菓子食べよーや。パーティー開けしちゃお」

「うわ、もう閉められへんやん、」

「せやで、これでもう残せへんな～」

人は見かけによらず。

Aはそれを体現している。

喋りかけるなオーラ全開かと思いきや彼いわく、

" 喋りかけるなオーラ？あ、俺そんなオーラ出しとった！？誤解やわ、、だからみんな俺の事避けるんか……。 "

と言った。

つか、オーラ以前に、まず見た目が怖いから話しかけられへんとちゃうか…？

実際は、

卵焼きはしょっぱいのだが基本的に甘いものが大好きで、食べることがとにかく好きなただの男子高校生。

喧嘩は売られたら買うが、絶対に自分からいくことは無い。

痛いんやって。喧嘩って。殴る方も殴られる方も。

ほんと、噂と180度ちゃうくて、見た目とのギャップがありすぎて風邪ひいてまうわ。

「あ、時間的にもう6時限目やで。どうする？」

「はぁ？！…あかん……俺、サボったことなんてないのに……」

「へぇ、また初めての " サボり " やな」

ケタケタケタと声をあげて笑うAを後目に立ち上がると、ぐいっと腕を掴まれ、また座らせられた。

「どこ行くん？」

「学校に決まってるやろ、まだ行けば出席になる」

「ほんま、真面目ちゃんやな。」

「真面目ちゃんでもメンマちゃんでもなんでもええ。学校戻らせてくれや」

「嫌や。」

「なんで。」

「サボりたいから」

「はぁ、おま、そういうのは友達と」

「村上は友達やで」

「は」

「村上は俺の友達。

…もしかして村上は俺の事友達だなんて思ってへんかった？！」

アワアワとしだすコイツに俺は何故か安心をしていた。

友達………か。

友達はいた。けどほかの男子高校生のような放課後ゲームセンターとやらに行って遊んだり、買い食いしたりといった友達は一人もいなかった。

ましてや学校外で家族以外の誰かと飯を食べるなんて以ての外やった。

「あれ……なんや…もう、嫌やわ、」

視界がぼやける。頬に伝う暖かい感触。

「……」

Aは黙っていた。
ただただ俺のことをじっと見つめふっと笑った。

＿＿母さん。聞いて。俺、友達が出来ました。