検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:23,350 hit

ページ11

桜士郎は、耀哉を無事産屋敷邸に送り届けた後、耀哉たちに別れを告げて、風情ある庭園をゆっくりと歩いていた。




「────但し、条件が一つ」


「……何かな?」


「もし禰豆子が人を喰らう可能性があると私が判断した場合────彼女の首を問答無用で切り落としますが宜しいですね?」


桜士郎の問いに、耀哉は一度考える素振りを見せてから、ゆっくり頷いた。


「……そうだね。左近次たちには悪いけど、それも致し方ないのかもしれないね」


「……ありがとうございます」


────
──



ふと、耀哉とのやり取りを思いだす。端から見れば彼らしくない非情とも言える発言にも、桜士郎はそう受け取らなかった。
何故なら耀哉の顔が、まるでそんなことは有り得ないと言っているかのようだったのだ。



桜士郎は噂に聞く【先見の明】というやつだろうかと考える。

歴代の産屋敷家当主は、特殊な声に加えて未来を見通す力というものが凄まじいと聞く。
あの方には、何かが見えるというのだろうか。



────竈門 炭治郎と竈門 禰豆子、お館様は随分と彼らに期待しているように思える。

確かに、鬼舞辻に遭遇したことは大きい。千年以上もの間、姿を現さなかったあの屑が、自ら尻尾を出したのだ。

竈門に追っ手を放っているのは単なる口封じのためなのか。どうもそれが引っかかる。
口封じなんてしなくても、竈門の実力は十二鬼月よりも下だろう。
ほっといたっていずれ死ぬ。態々追っ手を差し向ける理由が他に────。



とにかく、今どうこう考えてもしょうがない。俺は彼らを見極めるだけだ。桜士郎はそう決意し、再び門へと差し掛かる。



途端、桜士郎は、一瞬思考が停止したかのように硬直した。


大きな門の向こう、彼の視線のその先には────蟲柱 胡蝶 しのぶが大きく目を見開いて立っていた。




───────────────
少しでも気に入って頂けたなら、お気に入り登録、評価、感想等よろしくお願いします。励みになります。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
191人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 胡蝶しのぶ , 男主   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

天霧(プロフ) - とても面白かったです。ハールメンで見させて貰います。 (2021年9月26日 1時) (レス) @page17 id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
しとは(プロフ) - いおりさん» 前作からと長々この作品をご閲覧頂きありがとうございます!部活の大会や模試などが立て込み、中々更新出来ずにすみません。ですが、これからも応援して頂けると嬉しいです。よろしくお願いします! (2020年1月16日 7時) (レス) id: 076c798201 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - 前作から来ました。今作もすっごい面白い、、、。これからもお体に気をつけて更新頑張ってください。楽しみに待ってます。 (2020年1月13日 17時) (レス) id: 74a65ddbfb (このIDを非表示/違反報告)
しとは(プロフ) - そう言って貰えると、良かったぁってなります。ありがとうございます!了解です。前作は残していく方向で行きます!更新頑張ります! (2020年1月5日 11時) (レス) id: 076c798201 (このIDを非表示/違反報告)
Sara.(プロフ) - 面白すぎて一目惚れしました。大好きです前作残して欲しいですす更新頑張って下さいぃぃ! (2020年1月4日 23時) (レス) id: 37e203d48e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:しとは | 作成日時:2019年12月12日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。