White Linaria .【黒】 (ページ34)

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目黒「今日は付き合ってくれてありがとう」

『こちらこそ～。楽しかったからいいよ』

帰りの電車の中で、吊革に掴まりながら話す。

『この洋服、いつ着ようかな…』

お店で買ったオフショルのワンピースの袋を
見ながら呟いた。

目黒「今度、大学で着てきてよ」

『えっ！？嫌だよ、肩出てるし』

大学ではいつもカジュアルな格好で過ごしている私。

急に女の子っぽい格好で行くと変な風に思われそう。

目黒「……あ、やっぱり今の発言取り消し」

電車の窓から外を眺めながら目黒が呟いた。

目黒「大学に着ていったら、みんながお前のこと
見そうだし。それは嫌だな」

『っ、…』

顔を上げると、身長差のある目黒と視線が交わり
何故か分からないけど一瞬だけ顔が熱くなった。

目黒「あ、照れた？」

『なわけない。電車の中だから黙って』

目黒「はーい」

ぎゅっと袋を握っている手に力が入る。

(それにしても今日は疲れたな…)

買い物もしたし、翔太と彼女さんに遭遇したしで
身体も精神も疲れ果てた気がする。

「××駅～」

私たちが降りる駅の名前がアナウンスされて、
電車が止まった。

扉が開いたと同時に、多くの人が電車から降り始めて
ドンと背中に人がぶつかってきて倒れようとした。