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＊ ページ21
楓さんの話を聞いて、すぅと頬に涙が伝った。
『っ…』
ずっと思っていた。
どうして、私だけ生き残ったんだろう。
大好きな家族だけがいなくなり、私だけが
幸せになってはいけない。
.
.
.
『私、…幸せになっていいの？』
楓「当たり前でしょう」
『笑って、いいの？』
楓「笑いなさい。ご飯食べる時も笑わないから
私のご飯が不味いのかと思ってたわよ」
『…っ、楓さんのご飯は美味しい…』
楓「ふふ。ありがとう」
ぎゅっと優しく抱きしめてくれる。
その温もりの中で、私の頭に浮かんでいるのは
付き合っている彼のこと。
(…目黒くんにも伝えないと)
私のことを好きだと言ってくれた彼。
私と一緒にいるときたくさん笑ってくれた彼。
目黒くんにも伝えないといけない。
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作者名：こころ | 作成日時：2020年9月5日 0時
