マーガレット .【WN】

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歌番組の生放送前。メンバー各々で過ごしていると、メイクを終えたAも集まってきた。



ロングだった髪がバッサリ切られて、ピンクベージュに染められた髪が今回の衣装にマッチしていて、その姿を無意識に見ていた。



Aがディノの元に行って何かを話している。ディノの頭を撫でるとディノの顔が明るくなった。



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＿＿＿Aは前からそうだった。



自分のことより、人のこと。誰かが困っていたら助けずにはいられなかった。よくスングァンやディノが緊張して固くなっていた時に、あんなふうに話して頭を撫でて緊張をほぐしていた。

それはメンバーに限らず、スタッフさんにも。スタッフさんが困っている時もよく声をかけていた。



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カムバック期間は色んな歌番組に出演する。今日も別番組に出ていた。ステージを終えて控え室に戻ってくると、後ろから肩を叩かれた。


振り向くとそこにはAの姿。


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WN「何？」


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久しぶりに話した第一声。久しぶりに話している所為か、声が裏返った。


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『…これ』


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そう言って差し出してきたのは、絆創膏。


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『気づいていないかもしれないけど、ここ傷あるよ』


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Aに指さされた場所を見ると、腕に小さくかすり傷のようなものがあった。
全然気づかなかった。ステージに集中していたからか、痛みも全くなかった。


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『あとで水で洗って消毒だけしてね』


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俺の手に絆創膏を乗せた。そう言えば、昔から少しの傷でも見つけたらこうやって絆創膏を渡してきたっけ…。


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WN「ありがと」

『どういたしまして』


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今までのように、ではないけど。Aと話せたことが嬉しかった。でも、どうしてだろう。こんなも胸が苦しいのは。

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