姉貴だぜー！ ページ10
「ねえ、あの赤いのって…」
そう言って私は、校舎の前に立つ人物を指差した。
正直、遠くからだからよく見えないんだけど…なんだろ、すんごい赤い。(髪が)染めてんのかな？(白髪が言うことじゃない)
けど、その特徴的な色のおかげで誰だかなんとなく察しがついた。
「赤羽k 「赤羽業君…ですね。」 」
先生なにやってんだ。ここは私に言わせてよ。セリフちょうだいよ。
赤羽業。クラスは違ったけど、暴力まみれの天才って噂で聞いたことがある。
阿須汰みたいに不祥事起こして落ちたのかな？
「下の名前で気安く呼んでよ。とりあえずよろしく先生！！」
とてもそう見えない位の 爽 や か ス マ イ ル で す が 。
呆気に取られてカルマと殺せんせーのやりとりを眺めていると、2人が握手した瞬間に、殺せんせーの触手が溶けた。
「(！？)」
驚いたのもつかの間。
カルマのもう片方の手の袖から、対先生ナイフが飛び出した。
でも、ナイフが殺せんせーに当たることは無く、殺せんせーは間合いを取っていた。
「へー、ホントに速いし、ホントに効くんだこのナイフ。細かくして貼っつけてみたんだけど。」
そう言うカルマの手の平には、緑のカケラが引っ付いてある。
なるほど、だから握手で触手が溶けたんだ。
「けどさぁ先生。こんな単純な『手』に引っかかるとか…
しかもそんなとこまで飛び退くなんてビビり過ぎじゃね？」
殺せんせーが取った間合いを、どんどん詰めていくカルマ。
ああ、そういえば、初めてだ。殺せんせーにダメージを与えた生徒。
「殺さないから『殺せんせー』って聞いたけど＿＿＿＿＿
あッれェ、せんせーひょっとしてチョロイひと？」
……そして、殺せんせーをこんなに煽った生徒も初めてだね。
＿＿＿＿
しばらくして、6時間目。小テスト。
「ブニョンッブミョンッブミョンッ」
触手が煩いです。
大事な事なのでもう一度言います。
触 手 が 煩 い で す 。
「さっきから何やってんだ殺せんせー？」
「さぁら壁パンじゃない？」
壁パンだそうです。
ほとんど壁にダメージ行ってないね！
ていうか中学生におちょくられただけでああなれるんだね！
「ブミョンブミョンうるさいよ殺せんせー！
小テスト中なんだから！」
「こ、これは失礼！」
「(ひなたちゃんナイス！)」
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作者名：相良 夜恵 x他1人 | 作成日時：2017年4月19日 22時
