【双子の日常】お姉ちゃんだよーっ！ ページ16
「たっだいまー！」
いやはや、大量大量！
私は超ゴキゲンで扉を叩き開けた。
今さー、誰に移されたか知んないけど弟が風邪なんだよね。
で！さっき、その弟から『早く帰ってきて』って電話が来たの！
可愛くない！？いつもツンツンな阿須汰がデレたんだよ！？ツンデレ！Oh,Yes！ツンデレ！
リビングまで行くとデロ〜ンとなった阿須汰が居た。
わー、こりゃマズイ。まるっきしゾンビじゃん。
「阿須汰、お惣菜買って来たよ〜。」
「おせぇよ…。」
「大丈夫？コロッケ食べる？」
私はお惣菜が入った袋を阿須汰の前に差し出す。
「いらない。」
「唐揚げは？」
「…いらない。」
「竜田揚げは？」
「なんでさっきから油っこいものばっかなんだよ。」
「あれ、もしかしてイライラしてる？」
「誰のせいだと思ってんだアァァ！！！」
あ、これ、やばい。やばいやつだ。
弟が珍しく真面目にイラついてるよ。風邪だからかっ！？
「落ち着いて！油まみれになっちゃいけないと思って…『天ぷら』も買って来たから！」
「は？」
「ほら！『サツマイモの天ぷら』だよ！」
「阿保かアァァァァァ！！！」
風邪なのに、大声を出した阿須汰。
驚いていると、おもむろに私の袋からお惣菜を取り出していく。
「ねえ。」
「なんだい弟よ。感謝の言葉ならいらないぜ。」
「どうして油ものしかないの？」
「…。」
あー、言われてみれば、そうだねぇ。
でもね、これは不可抗力なんだよ。
「だって油ものしか売ってなかったから。」
「いや、サラダとか煮物とかあるだろ！？」
「あれはお惣菜じゃない！お惣菜コーナーって言ったら唐揚げしか並んでないもの！」
「煮物だってお惣菜だろ！分かったぞ姉ちゃん、お前お惣菜コーナーの場所勘違いしてるだろ！？場所言ってみろ！」
「卵コーナーの横！」
「それは唐揚げコーナーだァァァ！！」
弟は雄叫びをあげた後、健康体に買いに行かせるんじゃなかった、とか言いながらベランダから採った野菜を食べてましたとさ。
＊＊＊＊＊
今回は私、相良の実話からです。
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作者名：相良 夜恵 x他1人 | 作成日時：2017年4月19日 22時
